第15話 恥ずかぴぃ〜♪♪

「ごめん、もう一度聞いていいかな?」

喫茶フルートのカウンター席で、食後のお茶を飲んでいた《わ○し○沖田くん》♪

※昔こんなタイトルのコミックがあったよな〜(笑)

そこにその沖田を探していたマ·ザーの実子 《那由多》が現れたのだが…


「はい、ドゥモワーさんから《暇なら沖田に遊んでもらいな♪面白い所に連れていってもらえるぜ〜》とアドバイスを貰いましたので早速お願いしようかと♪」

例えて言うなら、純真無垢な青年をロック・オンした悪魔が、好奇心と言う名の甘~い果実を青年に渡した様なものである。

※フー、長い例えだぜ〜♪


「アーシュさ〜ん(困)」

喫茶フルートに立ち寄った後の自分の行動パターンを読まれている沖田は頭を抱えてしまった。

※そりゃ~知らない方が可笑しいよ沖田君♪


「つまり要約すると…」

「《沖田はここに寄った後、必ずシルビーの所でイチャつくから邪魔してこい》と♪そう言う事だよねアーシュ(笑)」

フローラ…99%当たりだけど本人の前でそれを言うのはどうかと思う…

※まぁ〜でもそれって作者的にはOKだけど♪


「え!あ、ご免なさい!知りませんでした!!」

そんな事とは露知らない那由多は、思いっきり平誤りをしたが、それはそれで恥ずかしいと思う。

(///∇///)!

ねぇ〜沖田くん(笑)♪


「そんなに気にしないで下さい!これからシルビーさんの所に行くのは本当ですから(笑)」

乾いた笑いが可愛い沖田である♪


「それじゃ早速行きましょうか那由多♪それと折角ですからダンジョンへ潜ってみませんか?」

「え!はい♪お願いします!」

その反応をみると潜ってみたかったのだろう…

話が決まった二人は、足早にダンジョンに向かっていったのだが…

心なしか沖田くんの背中に哀愁を感じるのは気のせいだろうか?


すると二人の姿が見えなくなった頃を見計らう様に

誰かさんの声がボソリと聞こえてきた。

「行ったみたいだな…」

おっと、厨房の隅から聞こえたその声…

「ドゥモワー、そのリアクションを見たら解るけど一応聞いた方がいいかな?」

アーシュは声がする方を見もせずに笑いを堪えながら質問した。


「おう、聞いてくれ!」

暗がりから返事が帰って来る。

「ロマにちゃんと謝った?」

「謝ったからこれですんだんだよ♪」

そう言いながら暗がりから出てきたドゥモワーは、あのドゥモワーだと解らない位、哀れな痕跡を全身に刻んでいたのだ!!


そんな哀れな彼の姿に流石のフローラもどん引きしている(笑)

アーシュはそんなボロボロのドゥモワーに、一つの紙袋を用意して手渡した。

「さっき焙煎したばかりの珈琲豆♪クッキー付きでなら大丈夫?」

辛うじてドゥモワーの原型を留めていた顔は、ニャっと笑った。

※正直怖いってその顔~!


「流石アーシュだぜ!解ってるねぇ~♪ありがたく貰っとくぜ、じゃあな!」

手早くそれを受け取ったドゥモワーは、すぐ様その場から姿を消したのだった…


まぁ〜実はだ…

修練と称して魔界にある風俗街に入り浸っていた事がバレたドゥモワーは、帰ってきたそうそうロマのコークスクリューブロー5連発で瀕死の状態になってここに避難していたのであった!

まったくもうこれで何度目だろうか?



「…誰もタダとは言ってないんだけどな…。」

そんな彼に追い打ちをかける様にそう呟くアーシュの隣では、1.5割増しの請求書を作成しているフローラがいたのだった(笑)


※以外とちゃっかりしているな~(汗)。




因みにまったく関係のない話しなのだが…

「レディ~那由多ちゃんが全然遊んでくんないのよ(涙)ママ悲ぴ~(T^T)」

マ・ザーがイジケてレディに泣きつくという、とてもレアなドラマが王城で繰り広げられていた(笑)


しかも未処理データの山を孟スピードで処理しているアダムの目の前で…。

只未処理のデータよりもこの茶番劇を処理して欲しいだろうな~

アダムは…(笑)




所変わってここセフィロト…

先程アーシュから渡された紙袋を抱えたまま、猛スピードで走り去るドゥモワーの姿が見える中…


「ありがとうございま〜す♪またお越し下さいませ〜♪」

あの最近一部でウワサになっているランジェリー・ショップ《エマニエル》のオーナー《クリスティ・ロマーニ(恋人いない歴=年齢)》は、閉店前の最後のお客様をお見送りした後、店内の照明を3/2程消して店の奥まで歩いて行った。


誰もいない店内…

カウンターの中にある椅子に座り、今日の売り上げを計算していた彼女は、ふと…この世界に転移した時の事を思い出していた。

「あ〜あれからもう1ヶ月も経つんだ…」

作業の手を止め、ちょっぴり物思いにふける彼女…


そんなクリスティ・ロマーニは転移者である。

早くに両親を亡くした彼女は、14歳の時教会で洗礼を受けた際に、神様から天恵(スキル)=《服飾(デザイナー)》を与えられた。

それから15年…

途中育ての親である叔父夫婦も亡くなり天涯孤独となった彼女だが、地道に修行を重ね勉強し、ある時下着のデザインに興味を持った。

そしてなんとか自分の店を持てるようにまでになったのだった。


だがその矢先の事である。

やっとオープンにこぎつけたその日…

最終チェックを終え店のドアを開けた瞬間、目前に見覚えのない建物が建ち並ぶこの《セフィロト》に店ごと転移したのだった。

その後もう元の世界に戻れない事実をマ·ザーから突きつけられた彼女は、半ば開き直り気味でこの街で自分の店をオープンしたのだった。


そんな邂逅を巡らしながら、薄灯りの店内で彼女はポツンと呟いた。

「なんで淫猥(セクシー)系が爆発的に人気なんだろう…?」

それが今彼女の一番の疑問だった(笑)

※因みに作者と読者は、その理由を勿論知っているが、やはり口コミとは恐ろしいものである(笑)


この約1ヶ月…大量に用意していたそっち系の在庫も半分になり補充も考えなければならないクリスティは、今度イヴ王妃が来店した時にでもその辺を相談しようと考えていた。


が、秒単位でその考えを実行する事になった!

何故なら…

理由は簡単である。

閉店した店の前に、そのイヴ王妃本人が手を振り微笑みながら立っているからだった♪

おそらく前回アダムに内緒でフル・オーダーした超淫猥系のランジェリーが出来たと連絡があったので買いに来たのだろう(笑)


ふとクリスティは、今なら《どんなリクエストもGoサインが出る》と確信し、満面の笑顔で店内に王妃を迎え入れるのであった。


只その際、イヴ王妃の後ろにフローラ、ミルキー、伽羅、そしてなんとシルビーや涙ぐんでいるアーシュまでいる事には気づかなかったクリスティなのだった…♪




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る