第6話 ハイ・エルフと雪女とついでに勇者…所によって王妃様♪
エキサイティングな夫婦の夜が明け、コカトリスが朝の訪れを告げた日曜日♪
夫婦の顔色はっきり言って違っていた(笑)
フローラが艶々した肌を見せながらご機嫌で店内のテーブルをふいているのに対して、アーシュはといえばポーション片手に仕込みをしている…
多分この太陽系で一番偉い御夫婦も、今朝はこんな感じだろう(笑)
そんな中オープン時間を迎えた喫茶フルートには、早速何時もの常連客の一団が顔をだしたのであった。
「いらっしゃいませ♪」
店のドアを開く二人の常連客は、幼さが残るフローラの《上○す○れ》の様な声の応対と店内に漂う爽やかなハーブティー香りに心癒されていた。
※お~いつもとナレーションが違うじゃん♪
この時点で今だカウンターの片隅に転がっている《不燃物=シルビー》の存在は認識されてない。
いつの間に来店していたのか不思議である。
と言うかまだ復活してないらしい(笑)
「ね~ミルキー♪やっぱり仕事に行く前にちょっと癒されていかない?」
「あら素敵なお誘いね♪勿論そのつもりよポトニャー♪」
いかにも冒険者の格好をしたハイ・エルフの常連客
《ポトニャー・テロン》と和装の鬼姫で友人の《ミルキー・ウェンディーネ》は、そんな事を言いながらカウンター席に座った。
「今日のケーキセットは木苺のチーズタルトだけどいい?」
二人共嬉しいサプライズを聞いて笑顔でOKを出した。
「朝からタルトとハーブティーでお茶なんて幸せ♪」
「しかも木苺のチーズタルト♪仕事前だけど立ち寄って正解だったわ♪」
まるでカウンター席に花が咲いた様な笑顔である。
すると…
「私も…欲しい~」
忘れていた…
カウンターの隅で転がっている《不燃物=シルビー》の存在を…
あまりにも対照的なオーラが店内に流れているのは気のせいだろうか?
そんな異様な雰囲気も、徐々にだがハーブティーの香りで戻りつつある。
ま~あれから4日もたつから戻るのも当たり前かもしれない。
すると暫くしてフローラもその輪の中に参加した。
ここで本格的な《女子会(猥談有り)》の始まりである♪
※会話の内容がなかなかエグいのはこの際棚の上に置いておこう(笑)
じゃないと《成人指定》になってしまう…
そこで話の矛先を少し変えようと作者から提案があったのでそうする事にしよう。
今回の登場人物の一人 《ポトニャー・テロン》は転生者だ。
ただし前世は人ではない…家猫だった。
当時老衰で亡くなった筈なのだが、目が覚めたらセフィロトの街の東にある《深緑の森(しんりょくのもり)》の中にいたらしい。
しかも猫ではなくエルフの姿をして…
ちなみに生前、飼い主がTVで異世界もののアニメをよく見ていたせいか、自分がエルフになってしまった事への自覚はあるらしい。
その後王都に保護された彼女は、紆余曲折を経て、琴音と一緒に冒険者として生活する様になったのだった。
魔眼持ちの《獣魔師(フル・テイマー)》としてである。
それともう一人…
《ミルキー・ウェンディーネ》は転移者である。
額に二本の角がある為 《鬼姫》と呼ばれたり、彼女の持つ能力から《雪姫》と呼ばれたりしていた。
ちなみに彼女は前世では《雪女》と言う妖怪として畏怖されていた存在だった。
御存知かもしれないが…
あの日人を愛してしまった彼女は、人と偽りその人間の男性と所帯を持った。
その後正体がばれた彼女は、泣く泣くその男性と離縁したのだか…
本人曰く…
「私バツイチなのよ(笑)」と、今では笑って話せるまで吹っ切っれている。
話を戻そう。
彼女は夫と別れた後、宛もなく雪山をさ迷っているうちに、いつの間にかこちらの世界に転移したらしい。
その後アダムの提案でロムトレート王国の従属国として《海王星(ネプチューン)》に城を構え、そこで他の鬼族と一緒に女王として、または《薬師(くすし)》として生活しているのであった。
さて、そんな話をしている討ちに《女子会》もタイム・アップになったらしい。
「じゃ、そろそろ新しい階層まで参りましょう♪よかったら案内してもらえるかしらシルビー?」
「ウワサじゃ新種の魔獣もいるらしいじゃない?楽しみだな~♪」
ポトニャーよ…
『マ・ザー絡みのアンデッドならいるよ…』
アーシュもフローラも心の中でそう呟いていた。
「見た事もない薬草も沢山生えてわ…」
まぁ~それもマ・ザー絡みだけどね…
そんな会話をしながら店を後にする三人を見送りながらアーシュ達は皆の無事を祈りつつ後片付けをするのであった……
一方その頃、
王城にあるマ・ザー専用のラボでは、彼女一人、モニター越しに誰かと話をしていた。
【了解しました、マスターのご命令通り暫くの間ジャミングは続けておきます】
「お願い、急な事だったからまだ決心がつかなくて…」
【…ご心中お察し致します…ですが偶然とはいえ、まさかここがマスターが暮らしていらっしゃる世界とは…これも御導きかもしれません】
「ある意味そうかもね(笑)そう考えればラッキーだったかもね《レディ》」
【私もそう思います…ではマスターまた何かごさいましたらご連絡致します】
「よろしく~」
通話を終えモニターが消えた薄明かりの部屋で、マ・ザーはポツリと一言呟いた…
「やっぱシリアスは肩が凝るわ~」と(汗)
もしもしマ・ザーさん!
それは作者のセリフだって…
そんなこんなで舞台は再び喫茶フルート。
それはポトニャー達がシルビーを引きずりながら店を後にして約一時間程たった頃の事である。
彼女は砂塵の如く突然現れた!
御存知国王様のお妃さん《イヴ・メルトローム》王妃だ!
「ちょっと聞いて下さる奥様!」
ハンカチ端っこを噛みしめながら涙ながらに訴える(笑)王妃のオーラがまるで感じられないこの女性も店の常連客の一人である♪
容姿からなのか《奥様》なんて滅多に言われつけてないフローラは、上機嫌で聞く体制に入った。
※さっきは女子会で今度は人生相談らしい(笑)
ちょろい!ちょろ過ぎるぜフローラ!
いったい何時仕事してるんだろう?
山のような食器の後片付け(さっきまで琴音が食事してた)を目の前に、半ば諦めムードのアーシュを見ていると、何だか不憫に思えてくる。
所で王妃様…
もしかして政務の途中だったんじゃない?
この状況…突っ込み処満載である(笑)
そんなナレーターの心配もなんのその、会話はそのまま続けられていた。
「昨夜ね、思いっきりセクシーな下着を着てベッドで待ってたの!なのに蓋を開ければ朝帰りよ朝帰り!酷いと思わない(涙)!」
本当に突っ込み処満載の爆弾発言だよ!
それよりも王妃様…
他のお客様がいないからいいけど、その手の話って聞かれちゃ不味いんじゃないかな~?
国王夫婦の性活事情や国王様の朝帰りとか…
「妻に恥を欠かせるなんて酷いわ!そう思わないアーシュ!」
…そこじゃないと思う…
それにポーション片手に仕事に勤しむアーシュにとって、そんな事で同意を求められても男として答えるのがはばかれるばかりだ。
アダム夫妻と違いアーシュ夫妻は昨夜はかなりエキサイティングだった♪
それもほぼ一方的に(笑)
つまり予想に反して昨夜エキサイティングな夜を過ごしたのはアーシュ夫妻のみらしい…
思わず飲みかけのポーションをポケットに隠してしまうアーシュ!
確かに今見られたらまずい…
「そ、その事も大事だけど、そもそもなんでアダムは朝帰りなんてしたの?」
※うまいぞ!ナイスだアーシュ!
流石商売人!凄く自然に話の流れを変えた!
「……………あ、聞くの忘れちゃってた」
やっぱり(笑)
実はいつもこんな調子なのである…
愛し過ぎる故の愚行だとしておこうかな…
そんな彼女の事も紹介しておこう。
《イヴ・メルトローム王妃》はアダムと同じ転生者でもなければ転移者でも無い。
何時・何処で生まれたのか自他共に解らないまま、気付けば各々旅をしていた。
そう…
二人は様々な次元・時間軸を旅する《旅行者(ゲート・ドライバー)》と呼ばれる存在なのだ。
二人がこの太陽系にたどり着き建国する以前…
只のゲート・ドライバーだった頃にある世界で偶然出会ったのだ。
そして《密猟事件》がきっかけで彼女がアダムに一目惚れしたのである♪
その後二人で旅を続けていたのだが、ふと立ち寄ったこの世界で出会ったマ・ザーと意気投合し話し合いの上、この場所に建国したのであった。
※マ・ザーの口車に乗ったとも言える(笑)
それが今から約数千年前の話だ…
以上、話がそれてしまった。
「え~~と…そ、そろそろおいとましようかしら…ではお二方ご機嫌よう」
ばつが悪くなった王妃は、顔を真っ赤にしてそそくさと…そして瞬時に王城に帰って行ったのだ(笑)
「アダム~!ごめんなさ~い!」
気のせいかも知れないが、そんなセリフの木霊が遠くから聞こた気がする…
夫妻は揃って木霊が聞こえる方を向き黄昏ていたのだが、その頃この笑劇の一部始終をモニターで覗き見してたマ・ザーは、余りの面白さに腹を抱えて笑っていた♪
この笑い様…
多分…いや確実にこの件に一枚噛んでいるからだう…
そう作者は思いながら遅めの昼食の準備をするのであった……
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