第69話 GWは静かに
済みません。投稿が遅れました。
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二年になってあっという間に四月が過ぎた。もうすぐGWだ。
例によって、若菜が俺の部屋に遊びに来ている。
「雫、GWは何か予定入れているの」
「うん、前半は爺ちゃんの所行く予定」
「私も一緒に行っては駄目かな?」
「一人で行く。それに二泊三日だよ。直ぐ帰って来るから」
「でも三日も会えないの辛いよ」
「帰ってきたら会えばいいじゃないか」
「そうだけど…………」
明日からはGWだ。若菜以外は何か予定が有るみたいだが、敢えて詮索しない事にした。
「母さん、行って来るね」
「気を付けてね」
「うん、二泊三日だから直ぐに帰って来るよ」
俺は朝八時には家を出た。ジーンズに長袖のシャツと運動靴。肩に大きめのスポーツバッグを担いでいる。
一人で行くのが一番いい。若菜の気持ちも分かるけどやっぱり気を遣う。一人だと気が楽だ。それにもう五月山歩きも楽しみだ。
あーあっ、雫行っちゃった。私は窓から雫が出かけるのを見てやはりちょっと寂しい。どうしようかな。特に予定入れて無いし。一人で映画でも見に行こうかな。
仕方なく、ショッピングモールの有る駅まで一人で行く。この二階に有名な会社が経営している映画館が有る。一人でそっちに歩いていると
あれっ?川平君と白百合さんだ。へーっ、二人共付き合っているんだ。良いな。私も雫とあんな風になれたらな。あの二人どっちに行くのかな。映画見る訳ではなさそう。まあいいか。
二時間後、一人寂しく恋愛映画を見た私が映画館から出て、駅の反対側にあるデパートに行こうとするとあれっ?またあの二人だ。
うわっ凄い。白百合さん川平君の腕にしがみつている。少し上気している感じ。まあ色々有るのかな。昼食取って買い物して帰ろ。
川平君と白百合さん
「ねえ、今日は大丈夫だよね。出る時変な奴に会わないよね?」
「ああ、出る時気を付けよう」
「そうだね。でも嬉しいなGWの最初の日から川平君とデート出来るなんて」
「そうだな。俺もそう思うよ。さっ、入ろうぜ」
「うん」
「ねえ、また会えるGW中に?」
「今日の午後から塾でGW集中があるから無理だよ」
「そうなんだ。私どうしようかな」
「綾香も勉強すればいいよ」
「えーっ、私は良太から教えて貰うからいいよ」
「…………」
「ねえ、もう一回いい?」
もっとしたかったけど二時間だけ。彼は午後から塾って言っていたから。
私達は駅で別れた。彼はそのまま改札に入って電車に乗って帰った。私は少し買い物して帰ろうと思い改札に入らずにとどまっていると
「綾香」
「えっ?!隆」
振返るとあいつがいた。元カレだ。
「今の男は新しい彼氏か?」
「あんたには関係ないでしょ!」
「こんな時間で別れるなんて。お前の事だ。あれだけしたんじゃないのか」
「…………」
「やっぱりな」
「どうだ。どうせお前の事だ。足りないんじゃないか。今から行くか?」
「ふざけないでよ!」
「待てよ」
いきなり手を掴まれた。
「行こうぜ」
「…………」
それから二時間半後、若菜が昼食を取って買い物してデパートを出ると
あれっ、白百合さん。誰一緒に居る人?。手を繋いでいる。川平君はどうしたの?えーっ、キスしている。こんな所で。誰あの人、同じ高校の子かな?
あっ、二人で駅に行っちゃった。白百合さんってあんな人だったんだ。
GWも三日目。
ピンポーン。
「はーい。あっ、若菜お姉ちゃん」
「雫帰って来た?」
「まだ。でももうすぐ帰って来るよ。上がって待ってれば」
「ありがとう」
「あら、若菜ちゃん。雫はもうすぐ帰って来るわよ。さっき連絡有ったから」
「ありがとうございます」
「でも雫も幸せ者よね。若菜ちゃんみたいに可愛くて頭が良くて料理も出来る子に好かれているんだから。早く娘になって」
「はい!」
「お母さん、駄目。お兄ちゃんのお嫁さんは私がなるの」
「花音ちゃん。法律で駄目よ」
「法律なんか変えれば良いわ」
「あははつ、凄い事言うね。そんなに雫の事好きなんだ。私も負けないわよ」
「ふふふっ、二人共仲良いわね。はい、これ食べてて」
「「はーい」」
それから一時間後、
「ただいま」
「「お帰りなさい」」
ドアを開けるといきなり花音と若菜が抱き着いて来た。
「うわっ」
流石にいきなり二人に抱き着かれると重い。後ろ足で踏ん張ると
「二人共離れて。汗臭いだろう」
「ううん、雫の匂いだもの」
「私もお兄ちゃんの匂い大好き」
「止めてくれ。二人共」
肩から担いでいたバッグを降ろすと二人を退かした。
洗面所にバッグ(洗濯物だけ)を置いて手洗いとうがいをしてダイニングに行くと二人が楽しそうにしゃべっていた。仲が良くて良かった。
一時間程ダイニングで山の話した後、若菜と二人で俺の部屋に行った。
「ねえ雫、GWも後二日よ、明日一緒に居てくれるよね」
「良いよ」
「じゃあ、映画見に行こう」
「うん良いけど」
「それとね…………」
私は、白百合さんの事を雫に話した。
「ふーん、白百合さんってそういう人だったんだ。見た目じゃ分からないな」
「私も驚いたわよ。道路でいきなりキスするんだもの」
「それはきついな」
その後、更に一時間位話をして若菜が帰って行った。
でも白百合さんって良太と付き合っていたよな。だから若菜は二人を見たんだし。じゃあその後若菜が見た男って誰だ?
俺には関係ない事だが。ここまで話を聞くと気になるな。
―――――
良太と白百合さんの仲が心配です。しかし白百合さんって!
右目の調子が悪く少しの間、投稿時間や投稿日がずれるかも知れません。
ご理解の程お願いします。
次回をお楽しみに。
面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。感想や、誤字脱字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。
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