第63話 バレンタインチョコを食べる(閑話)
せっかくなので
雫が女の子達から貰ったチョコを食べた感想です。
―――――
俺は自分の部屋で机の上に置かれている五つの素敵にラッピングされているチョコを見ている。
若菜、真理香、優里奈、琴平さん、聰明先輩のチョコだ。
こんなに食べたら鼻血出るんじゃないかと思う位ある。何日もかけて一袋ずつ食べるのも良いけど、みんなの気持ちもあるからそれぞれのチョコを一個ずつ食べて、それから全部食べる事にするか。
まずは、若菜のチョコからだ。白い包みの中に透明感のあるブルーのラッピング。俺の好きな色だ。中に五種類のチョコが入っている。一個ずつの個包装にしてくれている。やっぱり若菜は俺の事を良く知っているな。
さて、一個。俺は包装を開いて口に入れる。最初はシンプルなミルク味。ちょっとバニラ風の味だけど食べ終わると口の中にべとつき感がない。美味いなー。後の四個も楽しみだ。
次は貰った順で真理香のチョコ。薄いブルーの包みの中に少しだけピンク色の透明感のあるラッピング。女の子らしいな。やっぱり個包装になっている。
一個取って開けて見ると、おっピンク色のチョコだ。口の中にポイと入れる。甘―いストロベリーみたいな味が…………うんっ、なにこれ。あれ頭の中が変。
あっ、やばい。体があの時の感覚になって来る。まるで真理香としている様な。
真理香何を…………。ちょっとこれは…………。
ふと時計を見ると五分位頭の中があっちに行っていたような。何か入れたのか。もう食べるの止め。
次は琴平さんのチョコ。市販だって言っていたけどとても上品な感じ。ラッピングはお店のかな。
一個取って包みを開けてみると普通のチョコの様な感じに何かぷつぷつトッピングされている
口の中にポイ。オレンジピールみたいな爽やかな味だ。美味しい。琴平さんありがとう。
さて、次は優里奈のチョコ。貰うの初めてだな。素敵な紫の包みにブルーの透明感のあるラッピングでチョコが五つ入っている。やはり個包装だ。皆考えてくれているんだ。
一個開けて口の中にポイ。少し苦味のあるカカオにミルクが入った大人向けの味。美味しいな。あ、あれ。体があの時の感覚になって来ている。優里奈としている時の様な。
優里奈…………。こ、これは、あ、やばい。なんかあそこが元気になっちゃった。
ふと時計を見ると五分位か、体がしている時の様な。優里奈何か入れたのかな。これももう食べるの止そう。
聰明先輩のチョコは普通に美味しかった。
時計を見るともう午後十時。お風呂入るか。
参ったな。真理香と優里奈。何を入れたんだ。今度聞いてみようかな。でもなー、聞くの躊躇われるよね。だってどうしても何か入れたと思うし、それが……だったりしたら。
やっぱり聞くの止めよ。なんか元気になりっぱなしだよ君。もうパンツ履きずらいじゃないか。静かにしなさい。
風呂から上がり髪の毛を乾かしたらもう十時半を過ぎていた。天井を見ながら
どうしようかな。ホワイトデー。
クラスの四人の子にはお礼で返そう。聰明先輩や琴平さんもそれでいいかな。問題は若菜、真理香、優里奈。
やっぱり三人共同じ物を返そうかな。困ったなー。
目覚ましが鳴っている。目を閉じたまま、それを取って目を開けると六時半かそろそろ起きないと。
うっ、なんか胃の中が重い。昨日寝る前に食べたチョコの所為か。牛乳飲んで流すかな。
家を出ると若菜も出て来た。
「雫おはよ。チョコ食べてくれた?」
「おはよ若菜。うん食べたよ。とても美味しかった。ありがとう」
「ふふっ、じゃあホワイトデー楽しみにしているね。早瀬さんや東条さんとは違うもの欲しい」
「う、うん」
去年までは若菜だけだったから良かったんだけど。あの二人と違うものなんて。
「若菜。何か欲しいものある?」
「ホワイトデーの、それともプレゼント?」
「前者」
「それは雫が考えて」
「…………」
学校のある駅に着くといつもの様に真理香と優里奈が待っていた。若菜と二人が俺の後ろに回って話を始めた。ほんと普通に三人でいると仲のいい友達にしか見えないんだけど。真理香も優里奈も何も言ってこない。まあいいか。
下駄箱で上履きに履き替えて教室に入るとあれっ、良太がいない。いつも俺より早く来るのに。
良太は予鈴ぎりぎりで入って来た。何か難しい顔をしている。後で聞いてみるかな。
―――――
いやーっ、やっぱり真理香と優里奈のチョコは!でも何入れたんだろう?
良太どうしたんですかね?
次回をお楽しみに。
面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。感想や、誤字脱字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。
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