第7話 GWの予定その2


GWの予定もう少し続きます。


―――――


俺は家に戻り、風呂も入った後、自分の部屋に居た。


「お兄ちゃん」

自分の部屋でゴロゴロしながらタイマで溜め撮りしたビデオを見ているといきなり妹が入って来た。風呂上りでパジャマを着ている。


今の所、急に開けられても困る事がないのでお互いにノックもしないでドアを開けている。


妹の花音は中学三年生。身長百六十センチ、頭が良く生徒会役員をしている。やや茶色の背中まで伸びた髪、大きな目と小さな唇、丸みのある細面。自分の妹ながら中々の美少女だ。俺を慕ってくれている。


「どうした花音」

「GWさ、お買い物一緒に行って」

「買い物?俺でいいのか」

「お兄ちゃんと一緒が良い」

俺が寝ているベッドの横にちょこんと座って話しかけて来た。


「そうか。ところで何を買いに行くんだ」

「いいの。当日決める」

「そうだ、その買い物若菜も一緒でいいか」

「何で若菜お姉ちゃんがここに出てくるの」

「いや、ちょっと若菜とGWの話をした時に花音が買い物に行くだろうからと言ったら、そう言って来た」

「えーっ、お兄ちゃんは一緒に行きたいの」

「別に、花音次第だ」

「そっか、そっか。じゃあ二人で行こう」

「分かった」

急に俯せになっている俺の背中に妹が体を乗せて来た。

「えっ」


妹はまだ中学三年だが、出る所はしっかり出ている。ブラをしていない様で背中に柔らかい感触が二つ、なんかグニュって感じ。それにいい匂いがする。


「花音どうした」

「えへへっ、ちょっとだけこうさせて」


俺の肩に顔を乗せて

「お兄ちゃん何見ているの」

「溜め撮りしたアニメだよ」

「一緒に見てもいい」

「良いけど背中から降りて」

「ええー。良いじゃない」

「だめ、退かないと見せない」

「仕方ないな。ヘタレお兄ちゃんは」

妹に言われたくないよ。





 次の日、二限目が終わった後の休み時間、俺はトイレに行く為に廊下を歩きながら考え事をしていた。


 取敢えず、妹とは連休初日に買い物に付き合う事になったが、これは想定内。問題は、あの二人だ。どうしたものか。

「いたっ!」


目の前で尻餅をついていたのは、早瀬真理香だった。廊下の角を曲がった所で早瀬とぶつかってしまった。

「あっ、ごめんなさい」


手を出して起こそうとすると彼女も手を出して来た。そっと引いたつもりが早瀬は勢いよく立ち上がると

「うわっ」


今度は俺の胸に飛び込んで来た。

「あっ、またごめ…………」

「少しだけこのままに」

「えっ、でも」


ダダダダッ。


勢いよく廊下を後ろから走って来る足音がした。二人の間に細い手が入り込むと


「なにやってんのよ。早瀬さん、わざと雫の胸に飛び込んだでしょ。見てたわよ」

「いえ、私は…………」

「早く雫から離れなさいよ」


若菜が強引に彼女を引き離し、俺と早瀬さんの間に立つと早瀬さんを睨みつけた。

「雫もボケっとしているからでしょ。行くわよ!」

「えっ、ちょっ、ちょっと待って」

「待たない!」

「えーっ、俺…」


その時無情にも予鈴がなってしまった。


そんなーっ、我慢できるかな。


もう、下坂さんが居なければ、もう少し彼の胸の中に入れたのに…………。



「うーっ、厳しい。あと五分。早く終わってくれ」


「どうした。神城。そんなに授業が面白くないか」


小声で言ったつもりが、先生に聞こえてしまった。不味い。注目を浴びてしまった。


「い、いえ、ちょっ、ちょっと」

「そうか、では、この問題を前に来て解いて見ろ」

「えっ」


仕方なく、漏れないようにヨロヨロと前に行くと

「どうした、具合でも悪いのか」

「ちょっと、調子が」

「そうか、後二分だ。保健室へ行っていいぞ」

「はい!」


俺は急いでヨロヨロと出口まで行くと漏れないようにトイレに走った。

「ふーっ、破裂するかと思った」


後から良太がやって来た。

「やっぱりここか。顔青かったぞ。二限目が終わった後、ここに来たんじゃないのか」

「いや、ちょっと予定が変わって入れなかったんだ」

「ああ、早瀬さんが雫に抱き着いて、下坂さんが怒ってたやつか」

「な、何でそれを」

「あれだけ下坂さんが大きな声を出したんだ。みんな知っているよ」

「えーっ、そんな」



教室に戻ると直ぐに早瀬さんがやって来た。

「もう具合良くなったんですか。もう少し保健室で休んでいても」

「いや、大丈夫です。ありがとうございます」

「そうでうすか。心配しました。とても青い顔をしていたので。歩き方も辛そうだったし」


良太がこっちを向いて吹き出しそうな顔をしている。後で覚えていろよ。



四限目が終わり、今日も美少女二人に挟まれて昼食を食べている。今日は早瀬さんのお弁当の番だ。


「神城さん、GWの予定はいかがですか」

「GW初日に妹と出かけます。それ以外は全部……」

「全部私と一緒です」

「本当ですか。神城さん」


早瀬さん、何故か若菜の顔を見て言っている。

「わ、若菜。どうしたの。早瀬さん。そんな事ないです」

「雫!」


「下坂さん、お気持ちは分かりますが、彼がご自身で決める事です」

「じゃ、じゃあ、花音ちゃんの次の日は私」

「良いのですか。それでは、その次の日は私ですね」


早瀬さんの言葉に若菜が頬を膨らませている。

「雫、どうなのよ」

「お、俺。俺は二人の予定でいいよ」

なんでこうなっている。


でも早瀬さんと二人なら俺に接触してくる理由が聞ける。


「よし、二日目は若菜、三日目は早瀬さんで」

「「四日目は?!」


「い、いや色々あるだろう。ね、色々」

「何色々って?」

「下坂さん、神城さんも色々あるのでしょう。これで良いではないですか」


若菜は食事が終わると「ふん」と言って自分の教室へ戻って行ってしまった。


―――――

第7回カクヨムコン応募中。アクセスご評価頂けると大変ありがたく思います。


なんとか平穏?に予定を立てることが出来ましたが、ふふっ、本当にこれだけかな?


次回をお楽しみに


面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。感想や、誤字脱字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。


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