その五
今日は危険生物を駆除しに来た。この世界で危険なのは主に二種類、熊と狼である。と言うのもこの世界では主に犬ぞりで移動するのがメインになるのだが、狼は集団で人を襲い、熊は単純に強いからヤバイ。車は前に見ただろうがすぐに雪にハマって動けなくなる。
なのでそりを乗り物に使うという訳だ。俺は基本何時間かけても構わないので徒歩で行くが。さてこの世界で一番強い武器とは何だろうか?銃?そんなものは使い物にならない、火薬は火を付けるのに使えるが外で使える訳もなく。しかし遠距離武器が一番強い、その武器とは。
「ボウガンだ」
それも俺は矢と鉄球を使い分けてるけど。基本的に背中に背負ってるのがボウガン。折り畳み式の武器だけどね。なんだかんだこいつには助けられている。……ちなみに軍から取って来たモノなので……違法な改造を受けています。どのくらいって言うと人がはじけるくらい。
「さて……」
この世界では、熊は世界で一番ヤバイ生き物に指定されている。人を襲う、接近すると死ぬ、遠距離武器もよっぽど強くないとまともに通らない、犬を襲いに来るなど……色々クソ。
「俺熊キライ。」
俺も。とりあえず奴を一度待つとしよう、少なくとも道から近からず遠からずの場所に巣を作りそこに存在している……からだ。とりあえずレーションを食いながら待つか。これあんまり美味しくない。
一日経過。中々熊も姿を現さない。まさかと思うが既にバレているのか……?いや無いな、もし仮に見つかっていたとしても奴らに待つなどと言う思考があるとは思えない。あるのは捕食したいと言うだけのただ捕食本能だけ。であれば……そろそろか。
「来た……!」
全長三メートル、分厚い毛皮に覆われているその体。一応矢には毒を塗っているがそれが効くとは思えない。しかし鉄球は少なくとも効果が無い、前に俺やったけど普通に効かなかったせいで一日中逃げる羽目になった……流石に夜になる前に帰ったが。
「うーむ……これはヤバイ……」
前に戦ったのよりも一際デカい……しかしやるしかないか。と言う訳で毒矢を装備、狙いは……足!死ね!命中!それと同時に隣の木に移動!奴の視線に入るな、入ると死ぬぞ。
「さて……逃げたか」
俺らが見つけるべきは巣だ。奴は人の味を覚えているようだ、生かしておけない。残念だが害獣呼ばわりもやむなし、巣事根絶やしにする。さて……今回、奴の足を撃ち抜いたおかげで血の塊が凍った物が一列に並んでいる。
「これを辿れば巣に着くか」
っと……ある!もう既に死体もいる!あいつら凍った人間を食ってるのかよ……!?異常だぞこいつら……!しかし俺がここで引くとでも思ったか……一応銃は使えないが爆弾は使う事が出来る。……しかし一々逃げる必要があるうえ、止まっていなければまず当たらないゴミ武器。と言うのがこれの評価だ……しかし巣が分かっているのなら、そこに放り込んでやれば致命傷になる。
「死ね!」
ちなみに発火するのは手榴弾だぞ!いやわざわざ火を付けに行くバカいる?そして逃げましょ。ソリに乗ってスイーッと……うわぁ爆音が凄い!こりゃ生きてませんわ……うん大丈夫だよな。
「……」
死体確認は基本。これ重要。いやマジ重要だからな?
「死んでるな」
うーん内蔵が弾けた瞬間凍ってる……いやな凍り方だなぁ……ま、いいや。こいつの顔を持って帰って終いにするか。
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