第11話 望桜の妨害と桜の援護

昨日は念願の俊とのお付き合い記念日になった………

そして、今日から二学期の始まりである。今は、始業式だ。

「本日をもって、二学期の始業とする」

校長のこの一言で、新たな学期が幕を開けた。

「蘭、家に帰る前に一緒に昼…食べないか?」

俊が走りながら言ってきた。もちろんと言おうとしたその時だった……

「俊、帰るわよ。お昼作ってあるから。」

「おい、姉ちゃん。放せ。それに、俺の家なら蘭の寮だぞ?」

「知ってるわよ。私の部屋に作ってあるから安心しなさい。」

「そうか。って、女寮だろ?大問題だよぉぉ。」

こうして、望桜さんに俊は強制連行された。

望桜さん……一瞬だけど物凄く僕を睨んでたような………

「蘭く~ん」

桜だ。相変わらず、無邪気な笑顔だな。

「蘭くん。望桜さんに嫉妬してたでしょ?」

「そんなことは……」

この先が言えない。図星である。

「ってか、何の用?」

「蘭くんに言いたいことがあってね……実は、望桜さんは俊とは実の兄弟ではないみたいなんだ……」

なん……だって?

「なんでそれを桜が知ってるんだ?」

「姫田財閥……この名前を使えばなんでも調べられるんだよ?」

少しアウトな気もするけど、桜は僕らの恋を応援してくれてるんだもんな。

それなら、それに応えるべきだ。

「それじゃあ、しようと思えば望桜さんが俊と恋をすることも?」

「うん。可能だし、血は繋がってないから法律的にもなんの問題もない。

このままじゃ奪われちゃうよ?」

ようやく結ばれた俊を奪われる?そんなのあり得ない。

っていうか許さない。

「望桜さんの部屋は分かる?」

「分かるよ。それじゃあ、俊を取り返しに突撃だ!」

こういう時の桜は頼りになる。


~望桜の部屋~

「俊、実はね。

私、貴方の実の姉ではないの。いわゆる、義姉……私は、高宮家の養子なの……」

「嘘…………だろ?」

その頃、俊は望桜に直接真実を打ち明けられていた。


「だから、私と結婚前提に付き合ってくれない?私、貴方のことが好きなの。」

「断る……俺には心に決めた人がいるからね。」

「そう……ごめんなさいね。ほんとは、こんなことしたくなかったけど。」

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