第10話 桜の変わらない想い
あの告白された日からあっという間に時が経ち、夏休み最終日となっていた。
僕は、返事をすることを決意していた。
そう……呼び出したのは俊だ。
学校の屋上に、今二人きりでいる。
「どうしたんだ?蘭。」
「俊……僕は、恋はしないと誓ったんだ。だから……」
「そうかぁ…なら……」
俊が言いかけたとき、僕はそれを遮った。
「男であり、僕と同じ境遇で、そして何より僕の心を救ってくれた俊と付き合いたい……
僕と付き合ってくれませんか?」
「俺で良いのか?蘭。」
「俊だからこそだよ……好きに性別なんて関係ない。恋ってそういうものじゃないの?」
「桜はどうするんだ?」
「正直に話すよ……」
「嬉しいぞ 俺を選んでくれてありがとな。」
嬉しい気持ちを押さえながら僕は、俊が帰った後、桜も呼び出していた。
「蘭くん、どうしたの?」
「今日から俊と付き合うことになったよ……それでなんだけど……」
「馬鹿……私は、蘭くんが好きなんだよ?どんな決断をしようが味方。これからも頼ってね?私は、邪魔だから、自分の寮に帰るね…」
僕は、思わず桜を思いっきり抱き締めた。
今までで一番短い二人と向き合った時間で、一番深い日だったと振り返っても思う。
その後、桜は自分の寮に帰り、グループには、居てくれるらしい。
こうして僕と俊の二人の共同生活が幕を開けた。
僕の気持ちを理解して、応援してくれてる桜には本当に感謝しかない。
でも、居たんだ……この結末を良しとしないあの人が……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます