第10話 桜の変わらない想い

あの告白された日からあっという間に時が経ち、夏休み最終日となっていた。

僕は、返事をすることを決意していた。

そう……呼び出したのは俊だ。


学校の屋上に、今二人きりでいる。

「どうしたんだ?蘭。」

「俊……僕は、恋はしないと誓ったんだ。だから……」

「そうかぁ…なら……」

俊が言いかけたとき、僕はそれを遮った。

「男であり、僕と同じ境遇で、そして何より僕の心を救ってくれた俊と付き合いたい……

僕と付き合ってくれませんか?」

「俺で良いのか?蘭。」

「俊だからこそだよ……好きに性別なんて関係ない。恋ってそういうものじゃないの?」

「桜はどうするんだ?」

「正直に話すよ……」

「嬉しいぞ 俺を選んでくれてありがとな。」



嬉しい気持ちを押さえながら僕は、俊が帰った後、桜も呼び出していた。

「蘭くん、どうしたの?」

「今日から俊と付き合うことになったよ……それでなんだけど……」

「馬鹿……私は、蘭くんが好きなんだよ?どんな決断をしようが味方。これからも頼ってね?私は、邪魔だから、自分の寮に帰るね…」

僕は、思わず桜を思いっきり抱き締めた。

今までで一番短い二人と向き合った時間で、一番深い日だったと振り返っても思う。

その後、桜は自分の寮に帰り、グループには、居てくれるらしい。

こうして僕と俊の二人の共同生活が幕を開けた。



僕の気持ちを理解して、応援してくれてる桜には本当に感謝しかない。

でも、居たんだ……この結末を良しとしないあの人が……

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