第9話 夏休みに進展するのは常識

ここまで来るのに、色々あったなぁ……

恋愛に振り回される学校生活も今日で最後……

7月23日、金曜日。

明日から、夏休みである。といっても、恋愛に振り回されること、間違いなしなのだが……

「本日をもって第一学期を終了する。」

この校長先生の一言で、一学期は、幕を閉じた。そして今は、俊と桜と帰宅中である。

「俊は、実家には帰らないの?」

「なんだよ……帰って欲しいのかよ。残念だったな。俺は、蘭をまんまと取られたりしねぇよ。」

「私は、キスも済ませてるし……」

「…んっ……」

んんっ………俊が僕にキスをしてきた。嬉しすぎる。

「そんなことしたって私の方が深かったし、それに、蘭くんの合意もなかったじゃない。」

「ちっ……めんどくさい女。」

「聞こえてんのよ?俊‼️」

相変わらずだなぁ。それよりもだ………

今、俊にキスされた?されたよね?

心拍数が凄いことになっている。そして、俊への好意が更に増した。

そして、帰宅して全員風呂を済ませ、夕食を食べた後、リビングで雑談をしていた。

「ねぇ?明日皆で、海に行かない?」

「良いねぇ……蘭の水着かぁ……気になるな。」

「絶対、僕らは女性と間違われるだろうけどね…」

「俊は、口の悪さで男って分かるでしょ」

「明日、沈めてくれるわ……」

怖………明日、俊にはあまり近寄らないでおこうかな。



~そして翌日、僕らは、海水浴場に来ていた。~

「腹減ったし、海の家で食べようぜ。」

俊は、走って海の家に向かった。桜は、僕の手を握って追いかける。

僕?絶賛、引きずられてます………。


「店員さん、焼きそば三つと、ホットドッグを三つください。」

そして俊が、注文してくれたものを受け取った時だった………

「お待ちどうさま……俊。私も後、数分でバイト終わりだから、一緒に遊ぶわね?」

そう言った店員は、俊のお姉さん。望桜さんだったのだ。

「げっ………姉ちゃん。まさか、俺がここに来ると知って?」

「やだなぁ…偶然よ。運命じゃないかしらね?」

わざとらしいなぁ。絶対、調べたでしょ。ストーカみたいなもんだよ。バイト時間的にも、一日バイトでしょ……確信犯だね。

そして、僕らは昼食を食べ終えて望桜さんと合流し、四人ではしゃぎまくり、あっという間に夕方になった。僕らは、男女に分かれて着替えることになり、男である、僕と俊が先に終わり、バス停で待っていた。

「蘭……桜がいないうちに、言わせてくれ。」

この展開は、もしかして……………

「蘭、お前が大好きなんだ………俺と付き合ってはくれないか?」



ここで、素直に、はいと言えば良かった……でも、桜を捨てきることができなかった僕は、言ってしまった。

『今は、ごめん……考えさせて』と…………



~俊サイド~

やっぱり、蘭の心には桜のやつがいるのか………

ここからは、お互いに告白してるようなもんだ。

アピールタイムだからな。



そして、帰宅してから僕は、考えすぎて知恵熱をだし、翌日は、二人に看病して貰った。

やっぱり選べない……でも、いつまでも待たせるわけにもいかないよなぁ…………。

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