第8話 僕と桜の二人きり

入学してから、あっという間……

今は、7月に入ったところである。

「蘭、明日の土日、俺、実家に帰ることになった。姉さんの事だ……色々話したいこともあるしな。』

『ほどほどにね……」

俊と、そんな会話を交わし、眠りについた。

そして、翌日……目覚めて、リビングに行くと、もう俊は、出掛けたようだった……

「早いなぁ……遠いから仕方ないか。」

俊に聞いた話だが、大分家は、遠いらしく新幹線を使って、3時間である。

「望桜さん、よっぽど俊に会いたかったんだろうなぁ」

「おはよ~」

楽しそうにバックハグを決めてきたのは、起きたての桜である。可愛いけど、付きまとうところだけは、何とかして欲しい。

「今日から、2日間……二人きりだね」

そうだ……俊が居ないから、そうなるのか。先行きが不安でしかないが………

僕と桜は、朝食をパンとコーヒーで済ませて、共にリビングでくつろいでいた。

「ねぇ、蘭くん?私を構って?」

変なやつだ……構ってと言われてもなぁ。そうだ……どこかに出掛けよう。

「じゃあ、お昼ごはんでも食べに行く?」

「蘭くんと二人でごはん?やった~。」

桜は、とんでもなく嬉しそうに喜んでいる。

こんなに喜んでくれると、悪い気はしないな………。

そして、僕らはラーメン屋に来た。

「あっさりラーメンを二つ、お願いします。」

桜と喋りながら待っていると、柄の悪い男の二人組が、僕らの席の前で止まった。

「姉ちゃん達、俺らと良いことしない?ラーメンおごってあげるからさ。」

毎度の事だけど、僕は、女扱いか………

「嫌に決まってるでしょ。馬鹿なの?」

その瞬間、桜は無理やりキスされてしまった。

「私の………ファーストキスがぁぁ……」

桜は泣いてしまった。

「お客様……警察に通報致しました。」

「ちっ……帰るぞ。」

そして、嫌なやつ二人は、店員に脅され帰っていった。

僕は、桜を家に連れて帰った……もちろん、会計は無料だ。食べてないからね。

「桜……気持ちは分かる……落ち着いて。」

「黙ってよ。蘭くんに何が分かるの?ファーストだよ?」

「んっ………レロッ……クチュッ…」

僕は、桜を汚したやつが許せなくて、上書きしてやった。

「蘭…………くん?」

「それで、ファーストキスは、僕としたようなもんだ……あいつらより、深くしたからね。」

桜は、この日の晩……ずっと、僕と共に寝ていた。


~その頃、俊は……~

「姉さんにばらしたのは、姉さんに口を割られたと………まぁ、分かってたよ。こうなるって……怒ってないよ。姉さんに邪魔しないように釘は、さしといてよ?」

「分かってる……すまなかった。」

望桜に俊の高校をばらしてしまった、両親の説教中であった……


そして、翌日……桜は、前よりも甘えるようになった。

『蘭くん、だ~いすき~」




俊、早く帰ってきてくれー!

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