第7話 混沌の四角関係の始まり
いきなりの俊の姉の登場に驚いたのもあっという間で、学校が終わり、僕ら三人は、寮の同居部屋へと戻った。
~僕らの同居部屋~
「ねぇ…俊。望桜さんってどんな人なの?俊は、なんだか嫌そうだったけど。」
僕は、思わず帰ってすぐに、俊に訪ねた。
「望桜姉は、俺の姉だよ。ただ、昔から、俺に付きまとう癖があってね……で、嘘ついて、この学校にこっそり入学したんだ。寮があるここにね。
多分、父さんと母さんの口を割ったんだと思うよ。
姉さん、強引な人だから。」
「そうなんだ……」
僕は、複雑な気持ちになった。実の兄弟なら、心配ないだろう。しかし、確実に言えないのは、あのときの望桜さんの俊を見る目だ。
あれは、本気の目………恋してる目だ。桜が僕を見てくる目だから、良く分かる。
今も、現在進行形なので…………しかも、黙って。
怖いです。
「蘭くん…一緒に風呂入ろ?」
「え……僕と桜で?」
いきなりの桜の発言に、僕は、驚く。
「駄目に決まってんだろが。男は、男。女は女だ。
蘭は、俺と入る。」
俊と風呂……最高じゃないか。
「なら、銭湯に行こうよ。ほらほら。」
「また邪魔しやがって……」
「これで、貴方が蘭と二人きりは、阻止よ。
残念ね。」
また、俊と桜が、影で喧嘩してるなぁ。仲悪いなぁ……あの二人。
~桜サイド~
銭湯に着き、蘭と俊と分かれ、私は、女風呂へと入った。
蘭くんを早く手に入れたいなぁ……でも…俊が邪魔だなぁ。
そんなことを考えてると、声をかけられた。
「貴女……あの時、俊と一緒に居た子よね?」
声をかけてきたのは、俊の姉、望桜さんだった。
「望桜さん…」
「少し、話さない?恋話といこう?」
「はい。」
私は、湯に浸かりながら、望桜さんと話すことにした。
「桜さんって言うのね?これから、よろしくね。」
「よろしくお願いします。望桜さん。」
「貴女は、俊が好きなの?それとももう一人の男の娘?」
蘭くんが男だって、話さなくて、気付くんだ……本当に俊くんのお姉さんなんだな……。
「その様子だと、図星ね。私は、貴女を全力で応援するわよ。
私は、俊を手に入れる。兄弟の壁なんて、乗り越えるわ。
女同盟といきましょう?」
私は、蘭くんを手に入れるためならと、望桜さんと、同盟を組んだ。
そして、銭湯をあがり、四人で合流して、解散した。
これからは、望桜さんと一緒にこの恋……叶えて見せる。
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