第6話 桜の真実と俊の姉 望桜(みお)

「どうして、俊は、ともかく桜……女子であるお前が同居を許されたんだ?学校は、教育現場なのに認めるわけ無いだろ。」

「蘭の言う通りだ……なんのつもりだ?」

まぁ、俊もギリギリだけどね……個人寮に来る時点で。

「姫田財閥………知ってるでしょ?この学校含めて資金援助してる大きな財閥だよ。何個も銀行を持つことで勢力を拡大してる会社だよ。

私……その財閥のお嬢様なんだ……お父さんに恋のことを打ち明けたら、この学校に頼んでくれたんだ。」

「はぁ…………は?」

僕と俊は、同時に桜を二度見した。こいつまじか……と。姫田財閥と言えば、この国の二割の財産を持ってると言われてる大じゃ収まりきらない財閥だ。

そりゃ……したくないけど、納得だわ。


でも、疑問があった。


「何で、そんな財閥のお嬢様がこんな普通の高校に?」

俊の言う通りだった。聞いたところ、愛されてるみたいだし、こんなとこに来るような人じゃない……。

「私……お嬢様みたいな子、嫌いなんだ。

蘭くんや、俊くんのような普通の高校生活を送りたいの………」

そういえば、桜にお嬢様要素など、一つもない。

「良いんじゃねぇか。人それぞれだよ……価値観なんて。」

言ったのは、僕じゃない。俊だ。珍しい……俊が、桜を庇うなんて……………。

「僕も、そんなの気にしないよ。仲良くしよう?これからも。」

僕も、続けて言った。気付けば、桜は、晩御飯を食べながら、泣いていた。

「二人ども………ありがどう………」

桜は嬉し泣きしながら僕たちに抱きついてきた。

俊は、初めて桜と仲良くしていた。夜は、三人で、トランプをし、桜は、持ってきたベッドを空室に運び、そこで寝た。僕らは、同部屋で、添い寝……したかったけど、桜が、俊用のベッドも持ってきていて、もう一つの空室に渋々俊は、ベッドを置き、寝た。

桜いわく…………

「抜け駆けは、駄目。そんなの卑怯だから、阻止するよ。」

だそうだ。俊は、部屋中に聞こえる音で舌打ちしていた。



最近僕は、桜と俊……二人とも好きだと気付いていた………桜の明るさには、救われてる。

俊は、初めて本気で恋をした自分と同じ境遇の男性。

そして、どんな困難も共に乗り越えれると思えた人………

今は、青春を楽しもう。卒業する時までには、決めておこう。

好いてくれてる人をほっとけない。

「誰と死ぬまで寄り添いたいのか…………ね………。」




そして、一ヶ月が更に経ち、6月に入った。

いつも通り、桜と俊と昼食を取っていた。

その時だった…………

「俊………転校……やっと出来たよ。私も入って良い?」

転校?誰だ……この俊に雰囲気が似てる、金髪のお姉さん。

「げっ……せっかく志望校、嘘ついたのに、転校してきたのかよ…………」

「当たり前じゃない。私……高宮 望桜。愛する弟は、逃さない。」

初めて見た……俊の赤面。


それにしても、聞き捨てならないな。



俊を愛してる?

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