第5話 僕の苦悩

~蘭サイド~

ついさっき、クラスの人気者に告白された……

でも、あの時、好きだった女の子にふられた時から決めたんだ……

「もう女の子とは、恋はしないとね……」


そして、僕は次の日もいつも通り登校した……

そして、席に鞄を置いたその時だった……

「おいおい…頬にご飯粒ついてるぞ?」


「ぇ………」

僕は、思わず変な声をあげてしまった……俊が、僕の頬についていた米粒を舐めとったのだ。

嬉しいよ、そりゃぁ………でも、攻めすぎだよ。恥ずかしいよ………

まだ俊以外教室に来てなくて良かったよ……いや待てよ…僕と俊ともう一人、いつもこの早い時間帯に登校する子がいるのだ。そう………

「こんな男に舐められちゃって……上書きだ。」

嫌な予感が当たった。僕は、俊に舐められた場所を桜に舐められた。

「てめぇ……」

「俊くんこそ……抜け駆けは、良くないよぉ?」


これは、ほんの幕開けに過ぎなかった………

昼食は、自由に集まって食べるのだが……僕と俊でいつも食べていた高校の花畑の中のベンチには、桜も加わっていた。

「ここ、良い場所だよねぇ。」

「何で、桜がいるんだよ……蘭と二人きりになるのが毎日の楽しみだったのによぉ。」

また、桜と俊が、言い争っている。

「喧嘩しないで……僕は、構わないから。

桜さん……昨日の告白……すぐに断ってごめんね。」

「良いよ……全然。私は諦めてないし。」

「これからは、親友として、頼める?」

「親友スタート……好調…………もちろんっ」


「としてって言っただろうが。それ以上は、ねぇよ。」

俊の言う通りだったが、桜さんの嬉しいオーラが凄すぎて、ほっとくしかなかった。


しかし、この日はこれで終わりではなかった。

「明日から、三人一組で、グループになってもらう。これからは、何をするにもその三人と一緒だ。

脱退とか無しだから、良く考えろよ?誰とやりたいか、意見ある奴言ってくれよ。」


「蘭」

「蘭く~ん」

俊と、桜が即答した。恥ずかしいよ……クラスの全視線が僕に向いてるよ…………。


そして、このまま断る訳もなく、僕ら三人で、一年生を過ごすことになった。

この高校では、自立性を高めるため、こういう仲間外れが出かねないことを平気でするのだ……。


僕は、疲れすぎて寮の部屋のベッドに飛び乗った。

「痛~い」

この声は、桜だな。問題は、何で僕の布団の中から聞こえたんだ?

「あ………お帰り。これから、同居することになった桜だよ。よろしくね。」

「おい。けしからんぞ……先生に許可は、もらった。

俺も、同居させてもらう。」



まじで、どうなってんだーー!

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