第18話 姉からのLINE

…「既読」が付いてから2、3日経過したが、なかなか返事は来なかった。

姉も色々忙しいのだろう、と気に留めない振りを装ってはいたが、その実、おれは暇があるとスマホのアプリばかり覗いていて、勉強やら部活やら全部、上の空という感じになってしまっていた。

で、深夜に姉が帰宅した気配がして、しばらくしてから着信音がしたから、なんの気なしに、ほぼ無感情にLINEを開いてみると、「来ていた!」待望の姉からの返信がTOPに鎮座ましましていた!

「熱っぽい感想文とポエムをありがとう😊…」という表題が見えたので、急いで続きを読むことにした…


「…ハヤト、貴方も随分と文章が

上達したものですね😊高校生にしたら語彙や表現力はかなりの水準だと感心しました。文芸部に入っていて作家という進路も視野に入っているのかしら?私見ですが、文章も個性的だしポエムのレトリックにも才能の閃きを感じます。精進して頑張ればかなり有望かもしれない…星華絵としての日常が忙しすぎて応援してあげられないけど、みゆきお姉ちゃんはこれからもずっとハヤトの味方だからね❤️本当にお手紙ありがとうネ😊以上取り急ぎご返事迄〰️💞」


…姉がかなり喜んでいる気もするし、かなりの直情径行な?告白を、わざと躱しているのか?と、そんな風にもとれる返信だった。姉はだいたいがテレパシーがあるんじゃないかと思うくらいに敏感な

女だから、おれの道ならぬ思慕の念などとっくにお見通しという可能性もある。が、どっちにせよそこは今のところ曖昧にしておくしかないわけである。姉にせよ、おれにせよ…

そういう事情に鑑みれば、かなりにおれの感想文やLoveポエムに姉は好意を抱いてくれている感じではなかろうか?


我田引水にそう結論付けて、おれはニマ〜とニヤケていた。

「これをきっかけにLINEのやりとりがだんだん親密に、色っぽい感じになっていけば、おれにとっては願ったり叶ったりの展開なんだが…」

そういう風に薔薇色の未来を夢見るような、幸福な気分になれたのは本当に久しぶりな気がした。

「姉さん、ありがとう😊好きだよ❤心から…」

そう例によって就寝前の恒例の告白をして、おれは眠りに落ちたのだった。


(続く)

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