第15話 悪友・親友

 おれにとっては、面皰ニキビというものが目の上のたんこぶというか、鼻の上の蜂というか、その蜂にたちまち顔中を滅多やたらに刺されてしまった痕というか?つまり畢生の課題なのだ。‪”畢生の課題‪”‬という言葉は難解だが・・・面倒なので説明は省略する。漫画しか読まない最近の学生にこういう語彙を身に付けさせのが普通は国語の教師とかの畢生の課題だろうかw?日本語はむつかしいから、「この熟語の読み方と意味を調べて書いてください。用法とか暗記してください。」というのが中学生の夏休みの宿題全部になってもおかしくないかもしれないw 実際に中学校の時に「「去勢」という熟語の意味を調べてこい」、という宿題を出した教師がいたが、これは言うまでもなく castration の意味である…今では「去勢猫」だの「去勢豚」だのいろいろ知識ができているが、その頃はなんでももっとちんぷんかんぷんだった。あんなにinnocent でよく生きていられたものだな、とか思ったりするw が、十年後には今のことをそう述懐して振り返ったりするんだろうか?


  思春期性脂漏性皮膚炎だけに、中学生くらいからボツボツ華やかになり始めて、何だか‪”‬自慰‪”‬を覚えたころから「この、おれに取り憑いた醜い悪魔」は、急に酷くなりはじめた。猛威を振るい始めた。

谷崎潤一郎の「秘密」という小説にはこういう鬱陶しいニキビの咲き誇り始めた中学生の描写がでてくるが、あまりにもわが意を得るので、プロの技量に舌を巻いたものだ。谷崎の主人公にせよ、誰のにせよ、たぶんそれは作家自身の分身…なのが最初ピンと来なかったが、韜晦だかカリカチュアライズにせよ 、「幇間」にせよ「猫と庄造と二人の女」にせよ、主人公のちょっとすっとぼけた、色好きのアタマの弱そうな?人物は谷崎氏の自画像なのだ…それが最近やっとわかってきた、おれとかはそんな程度である。日本の近代文学プロパー?からいろいろ興味を広げようとしているが、あらゆる面でいまだしの感が強い。なあ?

まあ、マザコンから派生する?自虐癖、マゾヒズムはこの性豪にして文豪の作品のそこかしこに散見される彼の畢生のテーマらしいが、人生経験の中途半端なおれには文学とかでも生半可で、まだ文学鑑賞とか烏滸がましい。

現実のJKとねんとか話せるようになるのが先決やろか?ホンマやな?紙数尽きたのでそういう友人関係の四方山話は次回に譲ることにする。ほなサイナラ。


〈続く〉

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