第10話 姉という「生物」の素描(デッサン) 

 おれの姉は既述の通り、星華絵という国民的大女優なのだ。あまりに外見も中身も経歴もスキルもスペックも演技も声も性格も、全てが完璧でexcellent 過ぎるので、「ザ・スター」という華麗なる呼称を頂戴している。


 これまでは漠然と姉のことを抽象的な表現で賞賛してきたが、ヒロインであり、この長い長い物語(になるかもしれない?)、不道徳で道ならぬ背徳で不倫の顛末のそもそもの発生した原因である姉の星華絵、その具体像と魅力を、かなりdescriptive に素描(デッサン)してみようと思う。


 姉は、身長が168㎝で、48㎏。すらりとしているが、出るところは出ている。BWHは公表していないが、おれは弟なので知っているのだ。92・56・88である。おっぱいはおわん型というか紡錘型で、いわゆる「洋ナシ型」をしている。ハリウッド女優とか欧米の女性に多い理想的なシェイプの乳房だと思う。一つ屋根の下にいるから、このおっぱいを拝むという、拝顔ならぬ「拝乳の栄」にはたびたび浴している。

 肌の色は”雪白”である。真珠のように美しく輝いていて、透明感がある。姉も女のご多分に漏れずスキンケアには気を使っていて、おれの見るところでは、月に100万円は美肌の維持と向上のために予算を投じている。もっと金を使って、必要経費で節税をしたいのだが…とか税理士に相談をしているのを立ち聞きしたことがあった。

 全裸の全身像を見たこともあって、この話をすると友達はみなうっとりしたようなデレッとした顔になって羨ましがるのだが、偶然遭遇したその理想的な曲線で構成された星華絵の裸像は、もう美しさの極致で、俗な表現だが、「美の女神ビーナスのように」美しかった!「神々しい」、「後光がさしている」とかの表現も(少し古いか?)本当に大げさではなくそういう趣だった。

 「女神降臨」などとも言うが、脱衣所のオレンジ色の照明のもとで姉の均整の取れたフルヌードを見てしまったときに、おれは、この可憐で美麗で優雅な女性は、本当におれと同じ種族の、血の繋がった生き物なのだろうか?姉はコウノトリだか造化の神だかが間違って本当に神だか天使だかを地上のおれのうちに生を享けさせたのでは?なんだかそんな変な妄想すらしてしまうような、衝撃を受けたものだ。 


 そういう女性の身近で寝起きしていて、しょっちゅう感覚的な刺激を直接受けたり、時には会話をして息遣いや馨しい香りを体験している…それが高校生であるおれの日常なのだ。おれがインセストな禁忌を侵犯していることを承知の上で姉に恋するようになったのもまたむべなるかな、少なくとも情状酌量の余地はあると言えるのではないだろうか?


<続く>

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