第8話 おれもただブサイクなだけではない
おれが今、本来は普通の高校生なのに、精神的にかなり特殊な状況で生活するのを余儀なくされているのは一にも二にも、遺伝の法則で言うとアルファの個体というのか、超優生で超優秀な、おれから見たら「銀河の彼方から飛来した宇宙人」くらいに異質な、日本一に美貌で頭脳も明晰と定評の折り紙付きの、そういうエクセレント過ぎる姉を持ってしまったからなのだ。
姉の星華絵は堅実で質素な性格なので、いまだに実家住まいである。本来ならタワーマンションとかペントハウスとかそういう超豪華なところにでも住めるし、却って防犯とか警備上も安全だろうが、頑として実家から離れない。
変なストーカーはたくさん跳梁跋扈していて、いたずら電話も多い。
下着泥棒も出没する。
鍵を壊して押し入ってきて、包丁を振り回して暴れた挙句、パンティ一枚だけ盗んで逃げた頓珍漢な強盗もいた。警察に捕まったが、未成年のただの熱狂的なファンだったので、説諭だけで済んだそうだ。テレビを観て女優に憧れて、というところまではまともなのだが、テレビしか観ていなくて、金がないから女とも付き合えず、ただソーシャルゲームとかをしているだけだとだんだん現実感覚が狂って、挙句の果てにキテレツで滑稽な?事件を起こすという、こういうパターンの犯罪が最近は多い気がする。ネット社会の影の部分である。こういう「サイコパス予備軍」がまともな風体でそこら辺をほっつき歩いていて、というのが普通に多いのが現実なのだ。浜の真砂がどうたらというが犯罪も世につれて、なんというかアニメチックで幼稚な、アスペルガー的自閉症的な、気味の悪い犯罪者が、孤独やら欲求不満が嵩じた挙句に狂暴になって…そうなるのはつまりどこか社会にもいびつで矛盾だらけというところがあることの反映ではないか?
日本の将来が心配だが、おれにもどうしたらいいかは分からない。
国を憂えるくらいに志が高いのだから、おれだってただの馬鹿では無くて、高尚な趣味の一つや二つはあるのだ。
そのひとつが「小説の執筆」で、前にも書いたようにもともと日本の近代文学とか私小説が好きなので、なんとなく小説めいたものは書いていたが、たまたま「小説家になろう」というサイトを見つけて、色んな人が読んでくれて感想をくれたりするのが面白くて、しばらくそこで書いていたが、描写がエロ過ぎるというのでBANされて、そのあとは「カクヨム」というサイトに移って執筆している。
それではおれの各小説というのはどんなのか?
次回ではそのさわりをご紹介しようと思う。
<続く>
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