第7話 シスコンのサイコ・アナリシス

 おれは、つまり、はっきり言ってシスターコンプレックスのド変態?かもしれないが、どういう変質性欲であっても、よしんば犯罪者であっても「三分の理」はあって、合理的な理由、故事来歴があるのが普通と思う。

 おれにもちゃんと言いぶんはある。


 理由A.姉が美人過ぎる。魅力的過ぎる。性格もよすぎる。

 理由B.おれが醜男ブオトコで、モテないので姉くらいにしか口をきいてもらえない。

 理由C.姉がスターなので、普通に男と交際しにくくて、フリーを保っている。


 少なくとも表面的にはこういうイキサツがある。

 それでなくても、思春期の異性への興味の高さは尋常でないし、性欲のもてあまし加減もすさまじいほどだ。

 あの、青臭いスペルマの匂い、栗の花に似ているとか言われるカルピス原液の匂いが、毎夜毎夜の枕の友となっている日常なのだ。

 

 が、シスコンというのが、つまりはマザコンとかと似た心理なのだろうが、どういうメカニズムでおれの身の上に来迎ライゴウしたのか?シスコンが描かれたブンガクとかには有名なのがあるか?興味が湧いて、ちょっとググってみた。


 うーん。わりとありきたりなことしか書いていない。姉や妹に執着を示す男性…文学作品に有名なのとかは出てこないな。

 手塚治虫…桑田佳祐?いとしのエリーか?そういえば夢美璃々先生の父親もシスコンだったらしいなw

 妹のシスコンのほうが多いのかな?

 姉はマザコンの変形で、妹はロリータコンプレックスの変形かもな。

 

 マザコンというのはフロイトだとエディプスコンプレックスという言い方になって、これはギリシャ神話の近親相姦の神話から来ているらしい。オイディプス王という王様が、母親とはぐれて、その後それとしらずに母を娶って、のちに真相を知ったので両目をつぶして自殺した、という話らしい。

 フロイトという人は実際に父親が厳しい人で、母親が若くて綺麗だったので横恋慕をしていて、いわゆる「エディプスの三角形」という図式に葛藤していて、そういう自らの境遇を普遍化した思想、個人的な苦悩をだから複雑に理論化して知性化したというのか?そういう見方もできそうな発想である。


 だからおれだとこういう「シスターコンプレックス」にもっともリアリティを感じているのだからこの葛藤を人類一般に普遍化して、「姉や妹への思慕の念こそがもっとも人間において根源的な欲望?」とでもいうような体系的な思想を構築(捏造?)して…学者だとそういう発想になるのかもしれない。


 が、現実に家族に感じる愛情とか親近感というのは異性愛とは区別されているが、異性愛よりも自然で、根深いものがある気もする。タブーとされているのはなぜかというのもよくわからないが、近親相姦というのが現実によくあるというのも知らなくはない…


 禁断の果実…フロイト的な?姉との性的なファンタジーの夢、背徳的なイケない願望充足の夢はもはやおれにとってはこれも定番で日常茶飯事なのだ~


 それで、こういう悩みで葛藤しているから、顔面がこんなお化けのようなニキビの巣窟になってしまっているのだろうか?

 

<続く>

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