Film 9. 『ポーラー・エクスプレス』☆

(☆マークはクリスマス映画!⛄)


 2004年のアメリカ映画。フルCGアニメーション。1時間40分。

 機関車に乗って、サンタクロースに会いに行こう。


 主人公は、サンタを信じられなくなったある少年。

 クリスマス・イヴの夜、その少年の前に機関車は現れる。いかめしい顔の車掌に誘われ、切符はいつの間にかポケットに。

 最初は乗ることを拒んだ少年だったが、列車が走りだすと思わず乗り込んだ。先に乗っていた子供たちと共に、少年はサンタとエルフたちの街がある北極点を目指す……。


 あの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を監督したロバート・ゼメキスが、同じく監督から製作・脚本まで務めた3Dアニメ映画。原作は絵本の『急行「北極号」』。


 物語は大まかに2部に分かれます。

 前編は「これは劇場で観たかった!」と思えるような迫力のトレイン・ジェットムービー。切符をなくしたり、機関車が脱線しそうになったりしながらどうにか北極を目指すエキサイティングな冒険旅行です。手に汗握る予測もつかない展開が次々起こります。

 ちょっぴりミュージカル的な要素もあるのがステキポイント。それから妙にテンションの高い車掌役トム・ハンクスの演技(モーション・キャプチャー)が印象的です。


 後編は北極に到着後、ひょんなことから主人公の少年は、一部の子供たちと共にはぐれて、サンタの街をさまようことになります。そこではクリスマスプレゼントの準備される生々しい舞台裏が覗き見られたりして、不思議にビターな雰囲気。

 しかし、クリスマスを信じない主人公からすれば、すべてが幻想的であるよりは、嘘くさくなかったのかもしれません。最後に彼と仲間の子供たちは、それぞれが大事なことを学んで家に帰ります。


 注目ポイントは、車掌が切符に切符切り機で穴をつなげて書き出す2つのアルファベット。切符の持ち主によって異なるそれは、この物語のメッセージを読み解く大事なヒントにもなっています。


 寓話的で、ほんのり大人向け。だからこそ、子供も大人も楽しめるちょうどいい作品です。大きくなってきたお子さんとご家族でどうですか?


 北極点まであと11日! お乗りください。それではメリークリスマス!

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