ソフィアさんと山川さん
僕は宮廷の客間に彼女を案内して、僕はソフィアさんにそのことを伝えた。しかし…
「ヤマカワチエコ!?冗談ではありませんよね?」ソフィアさんはひどく驚いている。
「え?ご存知の方ですか!?」
「いえ……山川智恵子というのは…私の本当の名前です」
「え!?は!?えぇ~~!」「声が大きいですよ、まったく…」声が大きくなるのはしかたないじゃないか!
山川さんは山川さんではなかった?ソフィアさんの本当の名前が山川さん?どういうことなんだ???
「どういうことなんですか!?ソフィアさんのフルネームはソフィア・オルモスではありませんか!」
「あなたには伝えていなかったかもしれませんが…私も向こうの世界出身の人間なのですよ。私の元々の名前が、山川智恵子なのです」
「そんな……」僕は頭が真っ白になった。つまりソフィア・オルモスというのは自分でつけた名前なのだろうか?
いや、今大事なのはそんなことじゃない。
「それじゃあ、異世界コンサルを名乗る山川智恵子という人はいったい何者なんでしょうか?」
「それは私が知りたいところなんですがね…」とソフィアさんがため息をつく。
そんな時、宮廷の使用人がやってきた。
「ソフィアさん、お客様をお待たせしていますがいかがいたしましょう?」
「すぐ行きます。すみませんクリスさん、ちょっと失礼…いや、クリスさんもついてきてもらえますか」
「よろしいのですか?」
「構いませんよ。それにその方が手っ取り早いかもしれませんしね」ソフィアさんはそう言うと僕とともに部屋を出る。
そして僕らは山川さんが待つ応接室に入室した。
「お初にお目にかかります。私は異世界コンサル業をしております山川智恵子と……」
「あなたは何者なのですか?返答内容によってはあなたの命は保障しかねますよ」山川さんが挨拶を終える前にソフィアさんが口火を切った。
「ちょ、ソフィアさん何を言っているんですか!!」当然僕は驚く。ソフィアさん、いくらなんでもけんか腰がすぎる!
「私の名を騙る人間が私の目の前に現れるという事実そのものが、私に対する害意を含んだ行為だと私は認識しています」ソフィアさんの声は相当な怒気を含んでいた。
山川さんはソフィアさんの言葉を聞くと一瞬だけ顔をしかめたがすぐに元の表情に戻り、席を立つと胸を張ってこう言った。
「騙る?それはずいぶん違う話ですね、『宮廷魔術師』ソフィアさん。改めて自己紹介をしましょう。
私の名前は山川智恵子ですが……時に『異世界コンサル』ソフィアさんとも名乗る事があります。
本日は争うためでなく、ビジネスの提案のため……具体的には企画書を持って参りました。名付けて、異世界コンビニ計画です。まずはこちらをご覧ください」
そう言うと彼女は一枚の書類を取り出した。その書類にはこんなことが書かれていた……
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