最終日

 今日は私にとって最期の日。

 あなたが教室に入って来た時に、微笑んだ顔を見て癒された。それが最後の癒しだった。

 あなたは、あの女に刃物で刺されて倒れた。そして悲しい顔をしながら、あの女のの胸の中で眠りについた。

 私はただ見てるだけだった。ただ、ずっとその様子を見てるだけだった。

 あなたは最期まであの女のものだった。あの女に最期を捧げてしまった。あの女の胸の中で眠りについた。私ではなく、あの女のものだった。

 周りが騒ぎ立てる。

 私はなりふり構わず、家に帰った。

 涙が止まらなかった。自分を責めた。自分が嫌いになった。あなたの言葉が、頭から離れなかった。きっとこれは悪い夢だろうと、考えた。

 布団にくるまり、目を閉じて、静かに眠りたかった。泣きたかった。

 あなたのいない世界に私はいないなど、よく言ったものだ。本当にその通りだ。

 私は、ただ、あなたと幸せになりたかった。

 朦朧とする意識の中、私は手紙を書いた。あなたとの思い出と、想い残したことを。無くならないように、机の上のガラス板の下に、潜り込ませた。

 大丈夫。私は最期まであなた一緒。

 これまでのことを思い出した時、あなたが微笑んでるのが見えた。

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