14. それはロマンなのか⑥:文化混交世界
事務局は「狩人」絡みのあらゆる業務を一手に引き受ける国営組織である。その業務を大別すれば、移送・委託売買・人材管理の三つに分けられる。
移送、これは最も基本的な事務局の機能であり、各施設におかれたテレポーターを利用する。狩人はこれを拠点として「区画」と呼ばれる、ケモノに占領されたエリアを探索する。
委託売買はその対象を広く取る。狩人達の戦利品から情報まで引き取り、相応の組織と取引する特殊業務で、狩人個人による売買を許さない。
そして人材管理、アクラたちが先日苦労した許可証の正式な発行と名簿管理を意するところ。これによって無許可探索が行われることがないよう管理しており、区画はもはや、世界にとって資源であることが見て取れる。
また逆に有力な狩人への依頼にも使用され、それは稀であるはずだったが、今回の毒殺未遂により上位狩人は全員が王都招集と相成った。
大神アルゴルと面会してすぐその晩の作戦会議中、ローナが泣いた。
直近の理由というよりは、ただ鬱屈と彼女を支配していた不安が閾値を超えてそうさせた。少なくともアクラはそう取っている。今回の件が宿泊になる旨を復習したあたりで彼女は堰を切ったように声をあげた、それはあくまで契機だったとしている。
ローナは面会から山の家への帰宅に至るまで、一遍も泣かなかった。おかしいことだった。誰より失う恐怖に耐えているのは彼女であって、少なくとも自分では、アクラ・トルワナではない。彼女には己の涙すら恥知らずの行為に思えた。
そんな、断じて慰めとは違うものを、痛みを彼女は彼女の覚醒源にした。
「よう、おはよう!」
待ち合わせした山の麓に、いつも笑顔のリシオンと、いつも真顔のスピナが横並びしていた。きっと自分はこの人たちの痛苦からも目を背けていたのだろうと、アクラの世界ではそうなっている。
「荷物は確認したか?」
「はい、準備バッチリです!」
自分の声が大きくてアクラは驚いた。
「……」
リシオンという男は非常に鋭かった。
「そんなに正しくなくてもいいと思うよ~、俺は」
リシオンは信頼できる、老練で洗練された狩人だと思っていながら、その言葉だけはアクラにとって踏み入ってはならない囁きだった。そういう風にアクラは捉えた。「そうですね」と、返事ではない返事で打ち止めになる。
アクラはそのまま歩き出し、他もその後ろについていった。
「トウカ君」
「はい?」
トウカはスピナ・アリスから声をかけられるのが意外でならなかったが、特段動揺の様子を見せなかった。
「どうしましたか」
「うまく、支えて」
取っておいたかのように、このとき動揺した。背後のルークを思わず見た。
トウカには人と人との関係を見抜くことでも抜群の才があったから、多分にルーク・ヒラリオの方へそう言うだろうと勝手に算段していた。珍しい誤算だった。
「微力を尽くします」
「今、あなたしか見えていないから」
「ああ、なるほど」
それで合点がいくあたり、トウカはどこまでも高い目を持っていた。
「お、ぎゃるげ主人公のトウカ君がうちの
「冤罪です」
弟子仲間とミレントを一瞥してみると、トウカを待つことなく先行している。恐ろしいことだった。今、どこまで彼らの視界が狭窄しているのかトウカの観察眼にはハッキリとわかる。
アクラは理性、ローナは感情に支配されていて、ルークはアクラを死なせないことまでしか思慮が回らず、ミレントはある程度の他人事なりに、そこまでは見えて憂いていながらどうしようもないこととわかって諦めている。
「指揮官、アクラちゃんだよな? いやま、合うんだろうけどよ、今日ばっかりはお前が代わるように打診できないもんか?」
「駄目ですね。僕、指揮はからっきしなんです」
「そうかい……あ、お前もしや野良か」
「そうですね。碌な狩人教育なんて受けていない、単独専門ですよ」
「そりゃ指揮は駄目か、ありゃ教育の賜物だ」
「まあ、性分もあって」
「うっそだろ、絶対向いてるぜ」
「いいえ」、と首を振るトウカは口元しか見せない分だけ、見る者からすれば表現が豊かに思われた。殆ど微笑でしかないけれど、絶妙な違いが彼を深遠にしていた。
「駄目でもまた別の方法を探ればいいと思ってしまうんです。そんな僕が指揮をしては駄目です」
「……?」
「今を捨て石にしてしまう人間の指揮など受けたくないと、思いませんか?」
「ま、それは確かにな」
彼らもそれで、アクラたちに追随することにした。
麓から街へと景色が移り変わるのは大通りに出るときで、脇の小道を抜けて朝日を過ぎた正午の光を浴びると熱く、照り返す
もう少し早い時間なら静かだったものを、彼らは雑踏をかき分けていた。
「アクラさん」
「何、どし……わぷ」
トウカは案の定閉塞したアクラの肩を叩いて、指を立て。
振り向き様に突き刺さる罠を仕掛けて見せた。
「……私、気が張ってる?」
「悪戯心から、ということではいけませんか?」
アクラには急に雑踏の音が明るくなったように思えた。
「あ……」
「背筋を伸ばして、膝の裏を張って下さい。ああそれと、つむじを引き上げるように顎を引いて下さい」
彼の言を肉体構造に基づいて言い直せば、伸筋を生かせということになる。屈筋は消極的、伸筋は積極的な精神状態に比例して活動を活発にする。逆、すなわち身から心もしかり。
歩きながらも言いなりになって試した途端、アクラは首筋と腰の下辺りがひどく痛むことに気付く。それに大腿と足首の裏も。
「何これ、めっちゃ痛い」
「すぐこっちの方がマシになりますよ」
「ねぇ、こういうの詳しいの」
「まさか、経験則です……アクラさん、昨日縮こまって寝たでしょう。何を考えていたのかは聞きませんが」
もう彼に何を隠しても無駄な気がした。ルークとは違う類いの見抜かれかたというのか、世界理解の一端としてトウカはアクラを理解している。
「ねえ、私たち勝てる?」
「リシオンさんが言うには、一番可能性があるそうですよ」
「最近体のいろんな所が痛いのよ。病んでるのかな」
「正義感が病ならそうなんでしょう。とりあえず姿勢くらいよくしてみてください。
さて、今の感覚はどうですか?」
正に「さて」のタイミングで、体が軽いことに気が付いた。
「うそ」
「はい、もう大丈夫ですよ」
「ねぇ、本当に、そういう仕事してたとかじゃないの」
「経験則ですよ」
彼は語調そのままに繰り返した。
そこにアクラは、ロード・マスレイに似た、水面のように静かなものを見た。
「なんかトウカって、先生みたい」
そのトウカがその言葉で、ピタリとした。
「トウカ?」
「アクラさん」
「はい、何でしょ」
「あの異次元のロードと同一視して頂けるとは、光栄です」
「え?」
いつもは見抜かれるアクラなりに、トウカの様子を見るとどうもそんな気がしない。というのも、いつも微笑の口元がその一瞬だけそうでなかった。何らかの逆鱗に触れた気さえする。しかし絶妙なもので、そうでない気もした。トウカの真意を探求する志はそこで止まった。アクラの好奇心も恐怖心も、そうさせなかった。
それよりは、義務感が勝った。
「まぁ、何かごめんね。こういう気遣いとか、本当は私の仕事なのに」
「そうなんですか?」
「え? あ、うーん……あれ?」
それが流されるとアクラは拍子抜けになった。
トウカという男はこうやって正義に類するものをぼやかしてしまう辺りに、その優しさの真髄と、ある角度から見たときのみ黒光りするような隠者性を秘めている。アクラ個人の見解は、今のところそこまでだった。
それで会話が途切れてしまう。しかし気まずいものではなく静穏で、かつその瞬間から音と光がよく感じられる。煩いくらいだが、受け入れられる温度だった。どこから湧いてきた気力なのか、てんで見当が付かない。
「しょ、少々お待ち下さい! 規定により照合させていただきます……照合機、照合機出して下さいーっ!」
事務局員リリは穏やかな正午、大衝撃を受けた。ようやっと学生からの許可証申請が一段落し、あとは作成のみ、心穏やかになっていたところだった。
そこに突如として王命印入りの書状が届く。リリは事務局受付の奥の奥にしまい込んである照合機を探さねばならなくなった。
「リリちゃんにゃ悪いことしたなー」
「師匠、あの人知り合いすか」
「ん? まぁ長い付き合いなのよ。初対面はあっちが十二の頃で、そん時俺何個上だったかな。確か……」
「リシオンさんッ!!」
「やっべ、聞こえた」
事務局両脇のテーブルで談笑していた狩人たちがついに立ち上がって野次馬し出す。事務局員一同、いよいよ参った。
何せこの一団は見世物として第一級で、神速のリシオンと輝姫、黒髪の美少女に金髪の美青年。えもいわれぬ珍客が揃っている。ローナはといえば付き合いのよい娘でよくお節介を焼かれ、トウカだけその中で上手くひっそりとしていた。
「照合しました、王命印で間違いございません……」
「ども。森林区画直近地点のテレポーター、この時間で合ってる?」
「はい。ですが先週サンダータイガーの被害に遭いまして……現在の直近はこちらに到着致します。大変申し訳ございません」
用を終えたリリは疲れ切ってしまって、語調はなだらかに落ちていく。肩もかくのごとし、リシオンまで参ってしまった。
そういったとき、彼には常套手段がある。まず「お疲れさん」と声をかける、するとリリは小柄なりに、背丈のあるリシオンを見上げて何とか笑顔を作ってみせた。
「はい、ありがとうございます……」
「埋め合わせは
「へ」
以上が彼の常套手段となっている。
「九時な。そこならリリちゃんのシフト空いてるだろ、じゃーねー」
「あっ……」
去って行く彼についていきながら、アクラたちはリリの表情にぎょっとした。それはそれは恍惚かつ呆然として、少女的なワンシーンとなっている。後ろの花瓶に生けてある妖艶な薄紫のスイレンが丁度よく、見てはいけない世界にすら感ぜられる。
感じるや否や前を向き、みなローナの渋面を見つけた。
「初恋泥棒……」
「どうしたのそのダーティフェイス」
問いながらも事情を察するアクラは嘆息顔だった。
「……初恋強盗」
そう呟いた彼女の声は小さすぎて、誰の耳にも届かなかった。
「はい、はい、はい! んじゃお前ら行ってこい!」
強いて送り出す彼はアクラたちの冷ややかな目に焦っていて、らしくない。しかし目の前のテレポーターを見ると、非難の気分は退いて唾を飲むものが数人あった。
まず四畳半一個を収めうる透明な円筒が、アクラたちに向いている方をゲートにして迎え入れる。円筒は白い台座と白い天井で蓋をされていて、台座備え付けの階段二段を飛ばして上がり中に入れば、高さは五メートルほど。背後でゲートが閉じると、一気に外の音が乏しくなる。
こういった新人の動揺を、周囲の経験深げな狩人たちは毎年ニマニマ見ている。今年は早めにそれを見ることになり、より一層面白げにしていた。
「おーい、アクラちゃん」
最後尾で入場したアクラに外のリシオンの呼びかけがなんとか届いた。
「はい」
テレポーターの効果なのか、その声が段々と薄れていくのでアクラは焦った。けれど彼の伝言は非常に端的だった。
「頼む」
その瞬間暗転し、直後に景色が一変する。
皆呆然としていた、何の感慨もなかったからだった。テレポーターはあまりにも無粋なものに思えるくらい素早い転変をさせた。
居場所は薄暗い木屋、大理石で絢爛な王都事務局と似ても似つかないが、これも事務局である。ひどいのが、このテレポーターひとつを収容してそれで目一杯というくらいの大きさしかなかった。
ゲートが開くと、殆ど縁日出店の体でやっているような受付から、歯抜け・目口よぼよぼのオババが「狩人さんお疲れぇ」とこちらを向く。白いシャツが何とも涼しげだった。
「あの、私たち」
「ばあちゃん」
一人同乗していた、二五くらいの狩人が差し挟んだ。
「どうやらこの子ら王都三傑絡みだわ。目ぇ付けとくと面白いかもよ」
「あらぁ、あの子たちの知り合い? これからよろしくねぇ……はい、アール・ドンスィさんね。いつもありがとう。行ってらっしゃい、生きて帰ってね」
「死んだら帰ってこないよ。行ってきまーす」
そう言ってオババは、その狩人が手渡したものを四段戸棚の一番上に加えた。そこでアクラも例に倣い、「受付さん」と呼びかけてリシオンから預かった臨時許可証を渡してみる。彼女はにこやかに受け取った。
「別嬪さんねぇ。……あらあ、王命印じゃないの! 十年ぶりだわ!」
「あの、俺たちもいいっすか」
「あら、あら、あら、たーくさん! 大神様から冥土の土産ねぇ」
「滅多なことを仰るな、ご婦人」
「なんてこと、閣下までいらして……待っててね、孫を呼んでくるからっ」
「おばあちゃん、私たち」
ローナの言葉は聞き流されてしまった。どうやら受付の下に階段があるようで、蓋を開いて「おぅいセイナぁ」と結構な声量で言う。
「はーいなんなのぉ」と文句ありげに上がってきた少女はアクラたちと同年代ほどだった。そばかす顔と焼けた肌と、オレンジ色のボサボサ髪がいかにもサッパリしている。
「ほら、ご覧なさい」
「何よ本読んでたのに……へぇっ!」
セイナはルークに瞠目した。
「嘘、ルーク君じゃない! シャートウへようこそ……ってもうやだっ、こんな格好で来ちゃった!」
「こら、お偉いさんよ」
「いいじゃない!」
祖母同様にシャツ一枚の、これから海にでも入りそうなくらいサッパリした格好で彼女は現れた。どうやら祖母譲りは心根も同じで、どてどて床を鳴らしてルークに駆け寄ってくる。
ローナは少しむっとした。聞き流されを端にして、この少女ときて、あまり機嫌がよくない。特に今日という日は初めからよくない。アクラがこれに慣れた様子なのも、ローナの不機嫌を加速させた。二人には一段以上の違いがある。
「あたしセイナ。名字はないわ、よろしく」
「ルーク・ヒラリオだ、よろしく。握手をしてくれないか」
「ちょっと、こんな汚い木屋にいる女の子の手なんワァッ!」
「よい手だ。ニルシア養成学校で事務をしていた師と同じだ、紙をよくさばくのだろう」
握手がすむと、セイナはルークの銀河の瞳をその目に映していた。
「おばーちゃん! 私やっぱりここ継ぐ!」
「王都に行った方がこの子には会えるんじゃないの?」
「王都じゃ私埋もれちゃうもん!」
もう一度アクラとローナを対比するなら、前者は「嗚呼マタやってる」と呆れて、後者は「この人は誰にだって優しいバッカリ」とむくれている。その差が、ローナの胸の内をかき回してたまらない。
トウカは
「ああ受付ね。みなさん渡して頂戴」
「はい、お願いします」
ローナの手渡し方がやけに不機嫌だった。年の功のオババはすぐに察した。
「ごめんなさいね。でもウチの孫にもちょっとだけ、いい思いさせてあげて。お願い」
唇を噛む。横で、日焼けた少女がキャイキャイしている。
「はい、みなさん大丈夫。行ってらっしゃいな、生きて帰ってね」
彼女は受け取った許可証を、今度は四段戸棚の上から二番目にやった。
事務局の外の町並みを見て、アクラはなんとも言えなくなった。そこは明らかに故郷よりも発展していたけれど、王都とは歴然の差だった。
事務局を出るとまず水路が目前にある。苔色に濁った水路が小さな屋根船(テント船くらいな洒落具合だが)をいくつも行き来させていて、両脇には白塗りの石造家屋が赤黒い提灯を、きめ細かな焦げ茶の瓦からいくつも垂らしている。どこもかしこも少し暗い色合いだというのに、空の青白さが打ち消すように晴れやかだった。
しばらくすると例の舟がやってきて、「狩人さんご案内ィ」と盛り上げるような言い方で呼びかけてくる。思えばその丸みを帯びた屋根の色合いも焦げ茶、至極暗かった、けれど人は穏和にしている。
「不思議な街」
アクラはそう、不意に呟いた。
「シャートウは臭豆腐なんかが有名ですよ」
「トウカ、来たことあるの?」
「はい、シャートウには何度も来たことがあります。
ここらは窯業が盛んですよ、あの瓦や石畳がそうです。提灯なんかはここらの街ならよくありますね」
「トウカは旅慣れているようだな」
「それはもう、ずっと旅暮らしでしたから」
船に乗り込むと、トウカの話を聞く流れになった。ミレントが両脇の町並みを見て「小道多いな」と発すれば、「あれは
案内人に案内の暇がなかった。彼は非常に博識で、どんな質問にも答えて見せた。
「お兄さん詳しいね。しかしおかしいな、俺はこの仕事結構長いから、そんなに来てくれてるお客を知らないわけないのに」
「昔からよく目立たないと言われます。いつもは一人旅なので、こう喋ることもありませんから、特に」
「嗚呼なるほどね、お兄さん、確かに物静かな感じだ」
石橋が近づいてくる。案内人が「これこの街にいくつあるか知ってるかい」と聞いてみれば「二七でしたかね」とすぐに答えて、また彼を感心させた。
「ねえトウカ」
「はい?」
「ガルターナってこんな感じなの?」
「……というと?」
トウカの口元がより優しく微笑んだ。
「バーバラみたいに凄い街があって、富もあるのに、なんで王国中全部ああせずにこうしてるんだろうって思うの」
アクラの胸中に、「美しかろう」と声が聞こえてきた。羞恥心とともに。
「無粋よね、こんな綺麗なものを初めて見てる最中なのに。大神アルゴルは……まあ、うん、偉大な方よ」
「分かりますよ。景観保全だなんだといって、文明レベルを制限するのは民衆攻撃に思えます……ただまあ、これが普通だという彼らを守らねばならないのも、真理でしょうね」
あの廃教会以来の恐ろしい感覚をアクラは得た。腑に落ちすぎる、手首を掴まれて物事の核に触れさせられるあの感覚だった。例の視線誘導で、彼の見る先には道端で遊ぶ子供達がいる。アクラがバーバラに来て一度も見なくなったものだった。
「トウカ」
「はい?」
「トウカって凄いね。その、積み重ねたものとかが」
顔の見えないトウカの顔が素っ頓狂になったのを、アクラは確信した。それがすぐ微笑みになったことも。
けれどその頬に伝う涙の意味が、アクラには分からなかった。
「え」
「旅したかいがありました。報われるものですね」
いつの間にか、街を抜けていた。両脇から民家が減ってきて、入れ替わりに葉を垂れ下がらすような木が増えている。
しばらくして、木ばかりになった。
「ここだぜ、生きて帰ってくれよ」
笹の森が、大口を開けて待っていた。アクラたちが船を下りると、案内人はイソイソ船をこいで去って行く。
アクラは目を閉じて、大きく息を吸った。
「出発!」
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