第12話


こんな形で、桜子の気持ちを知るなんて思いもしなかった。



日記に登場する人物のほとんどが、私。


それだけ、彼女の中の〝あやか〟という存在が大きかったことが分かる。

どれだけ、彼女が私を好いていてくれたかが分かる。





この日記は、桜子の物語じんせい





でも高校三年生に上がってからクラスが別れ、そこから書き記された内容は、あまり明るいものではなかった。



〝絢香と最後の思い出が作れなかった〟


〝卒業してからも連絡を取りたかったけど、タイミングが分からない〟


〝専門学校に入学したけど、体調が安定しなかて、結局行けなくなっちゃった〟




どれも辛い内容ばかり。





それでも、私は彼女が日々を苦しみながらも懸命に生きたその軌跡を、ボロボロと泣きながら読み進めていった。



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