第11話




一年間、あっという間で、クラス替えが憂鬱ゆううつで仕方なかったな。



でも二年でも同じクラスになれて、もうすっごく嬉しかった!



だって二年は修学旅行があるから。



絢香とたくさん、思い出を作るんだって意気込んでた!








夏休み前



早くも進路を考え始めなきゃいけなかったこの頃。


絢香が話してくれた。


本当はお芝居がしたかったこと。


親には反対されいて、諦めようとしてたこと。


だけど私が、舞台やドラマ、アニメが好きで、〝だから役者になりたい〟という話を聞いて、それに感化されたこと。



……やっぱり、役者を目指したいって。



普段、全然弱音を吐いたりしない絢香が、ぽろぽろ泣きながらそう話してくれたこと、今でも鮮明に覚えてる。



心を開いてもらえた気がして、嬉しかった。



でもいつもとは違う絢香を見られて、ちょっとラッキーなんて思っちゃったの失礼だったかも……。


キュンってしちゃったんだよあ……これがギャップ萌え?







修学旅行



4泊5日、沖縄の旅。


班決めの時に絢香が真っ先に声をかけてくれたから、水族館も、買い物も、民泊も、移動のバスの中だって全部、ずっと一緒だった。


私より背が高くて歩幅も大きいのに、歩くスピードを合わせてくれていた。


疲れてないか、体調は大丈夫か、常に気にかけてくれていた。



〝沖縄、桜子と来られてよかった!〟



気付いたの。





私、絢香のことが好きなんだって。




友達としてじゃない、多分これは……







何度も、何度も消しゴムで消した後があった。


書いては消して。

それの繰り返しで、そこにはシワがより、少し黒ずんでいた。









……これは、恋。



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