第2話


─ブブッ


スマホが鳴り、画面を見る。




〝久しぶり〜!元気にしてる?〟



画面には、小田おだ 桜子さくらこからのメッセージ通知。



「桜子?! ……すごい久しぶりだ」



桜子とは高校の時の同級生で、すごく仲が良かった。



同じ中学校から進学した人が多いはずなのに、誰一人として知り合いがいないクラスになってしまった高校一年生の春。


初日が肝心で、ここで声をかけられなければ、周りは徐々にグループを作り始め、私一人だけ取り残されてしまう。



そう、女の世界はいつだって厳しいのだ。



現に、入学式を終えたばかりなのに既にいくつかの小さいグループができていた。

慌てながら周りを見回すと、斜め後ろの席に一人でスマホを見てる女の子がいた。


くせっ毛なのか、フワフワとした長い髪。

華奢で、背が小さくて、色白で。

頬が少しぽてっとした丸顔で、目もくりっとした丸目で。



─お人形のような可愛い子。



それが、小田桜子の第一印象だった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る