第5話子猫を保護する

それは、僕が大学を中退してガードマンのバイトをしていた19歳頃の話。

工事現場の交通誘導をする仕事だが、仕事中にミュウミュウと言う鳴き声に気付いた。

仕事中は、持ち場を離れていけないので、昼飯交代の時に、鳴き声の主を探した。

すると、病院前のごみ捨て場に茶トラの子猫がいた。

帰りに子猫をリュックに入れて、アパートに連れて帰った。


ミルクを皿に注ぐ、喉が渇いていたのか直ぐに飲み干した。キャットフードを与えるとガリガリ食べた。

自宅はアパートなので、ペットは飼えない。だから、また、リュックに子猫を入れて実家に運んだ。

茶トラは、工事現場で拾ったオス猫なので、"コウジ"と名付けて実家に暮らす事になった。

両親もコウジが懐くので、とても可愛がった。


あれから、23年経った。コウジは11歳で天国へ逝ってしまった。

ペットは可愛いが、死んだ時の悲しみを考えると、今は飼えない。

子供が子猫を拾ってきたら、どうしようか?

ま、あんまり捨て猫なんていないのだが。これも、動物愛護法のおかげかもしれない。

テレビで子猫を見るたびに、コウジを思い出すのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る