報告その7

 こんにちは。小林卓也です。


「三本桜 謎の名札事件」はかいけつしました。F先生からの返事を探偵団全員で読んで、「サクラ」の名札の謎について考えていたとき、四年生の谷口さんが「わかった。」と言って手をあげました。谷口さんは読書が大好きな人で、梶井基次郎のことを知っていたそうです。谷口さんは、梶井基次郎の小説に「桜の樹の下には」というのがあるとおしえてくれました。その小説の一番はじめに「桜の樹の下には死体がうまっている」と書いてあるそうです。

 その説明を聞いた花崎さんが「わたしもわかった。」と言いました。それを聞いた探偵団のみんなも次々にわかったと言いました。ぼくはそのときまだわからなかったのであせってしまいました。でも花崎さんが「小林くんは、自分がかっていた金魚が死んだらどうする?」と質問してくれたので、ぼくにもわかりました。


 三本の桜の木はお墓だったのです。だから名札は木の名前とかではなくて、お墓にうめられている何かの生き物の名前だったということになります。その生き物は城山くんが推理をしてウサギじゃないかなと言いました。城山くんは、むかし北山小学校でもウサギをかっていたことがあるというのをお母さんに聞いて知っていたのです。花崎さんがきっとそうだと賛成しました。みんなも賛成でした。もちろんぼくもそう思いました。


 でも、推理だけではかいけつしたことにはなりません。うらづけそうさが大事です。今日かえったら城山くんがお母さんに聞きこみをするということになりました。すると花崎さんが今すぐ聞きこみそうさをしようと言いました。聞く人は用務員さんです。ぼくはあっと思いました。それは「学級トマト全滅事件」と同じだからです。花崎さんもよく読んでいるんだなあと感心しました。そして探偵団全員で用務員さんのところに行きました。用務員さんは校門のところにいました。


 ぼくがだいひょうなので「校庭のすみっこにある三本の桜の木は、もしかしたらウサギのお墓ではありませんか。」と質問をしました。用務員さんはちょっとびっくりしたみたいでした。それから「よくわかったね。」と言いました。花崎さんが「用務員さんはいつから北山小学校ではらたらいているのですか。」と質問しました。答えは十五年前からでした。みんながわーすごいと言いました。村田くんが用務員さんのむねを指さして「いっしょだ。」と言いました。むねのところに名札がついていて、かたかなで「サトウ」と書いてありました。サの字が木の札に書かれていたサクラのサとそっくりでした。


 用務員さんはむかし学校でかっていたウサギの話をたくさんしてくれました。ぼくたちもウサギをかいたいなと思いましたが、しいく小屋をつぶしてしまったのでむずかしいねと言われました。


 報告はこれでおわりです。たくさんヒントを出してくださってありがとうございました。


                    北山小学校少年少女探偵団 小林卓也

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