小林少年の活動報告

報告その1

 F先生、はじめまして。ぼくは北山小学校の五年生で小林卓也といいます。

 四年生のときに学校の図書室にあった「藤松少年の迷推理」を読みました。それがとてもおもしろかったので、北山小学校少年少女探偵団を作りました。今の団員は四年生は男子三人、女子一人、五年生は男子二人、女子一人です。ぜんぶで七人います。ぼくは四年生のときからずっと団長をやっています。


 ぼくたちの探偵団では、学校で事件が起きたらいつでもかいけつできるように、「藤松少年の迷推理」を読んだりして、推理のやり方について勉強しています。


 ぼくがこの本の中で一番好きな話は「学級トマト全滅事件」です。藤松君の聞き込みそうさのやり方はとてもさんこうになります。信之介君のつぶやきヒントもすごいなと感心します。この話はたぶん十回以上読んでいます。読むたびにぼくたちもこんな風に事件をかいけつしてみたいなと思います。でも、北山小学校ではあまり事件は起きません。そうじの時間に窓ガラスがわれるとか、水飲み場の水道が出しっぱなしになっていてろうかが水びたしになったとか、探偵団の出番がない事件ばかりです。


 副団長の花崎さんは、学級トマト全滅事件みたいに、みんながこまるような事件は起きない方がいいじゃないと言います。ぼくもその意見にはさんせいですが、せっかく探偵団をつくったので、一回ぐらいは活やくしてみたいというのが本当の気持ちです。

 でも事件はいつ起こるかわからないので推理の勉強は続けます。「藤松少年の迷推理」の続きが出ればいいのになと思っています。


                          小林卓也

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