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   松島 璃子様


 楽しいお手紙をありがとございます。

 子どもっぽい字というのは良く言われます。以前は大人のくせにこんな字しか書けないのは恥ずかしいことだと思っていましたが、達筆すぎて読めない字よりも、ぎこちなくても読める字の方が有用なのだと開き直ってからは平気になりました。お父さまが私の名前をご存知ないのは当然のことです。むしろ知っておられたら私は驚いたと思います。なんてマニアックな人なんだと。


 松島様はお父さまが大好きなのですね。文面からそのことがびしばしと伝わってきます。とても良いことだと思いますし、うらやましくもあります。


 K君の心理テストが行われなくなってしまったとのこと、残念ですが仕方ありません。明らかにできなかった箇所については、あれやこれやと考えるのも夢があって楽しい作業です。

 夢といえば、松島様には「へっぽこ探偵vs地獄のマジシャン」の夢パートを気に入っていただけたようでうれしく思います。もしかするとSNS等で目にされているかもしれませんが、夢オチという構成(本当はちょっと違うのですが)は、多くの方にはお気に召さなかったようで、「だまされた、金返せ」「まさかのこのオチ。時間を返せ」「あきれました」等々、厳しい感想をたくさんいただいています。これにはかなり落ち込みました。でもよく考えてみますと、だまされたり、まさかと思うほどのオチだったり、あきれたりというのは、ミステリー小説にとっては褒め言葉だと受け取ることもできます。(こういうのを開き直りと言います)


 まあ、世に出してしまった小説は、今さらどうしようもありません。毎回、松島様から励ましの言葉をいただいていますが、今は新作に気持ちを集中して先に進むことが大切ですね。


                             F拝

 お父さまが大好きな読者様

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