心理テスト

01

 F先生はじめまして。

「へっぽこ探偵vs地獄のマジシャン」を楽しく読みました。

 とっても面白かったということをお伝えしたくて感想を書きました。下手くそな感想ですが、お時間のあるときに読んでみてください。


 まずはびっくりしたことから書きます。

 なんと、三百人もの観客の前で演じられた美女の胴体真っ二つマジックが、実は本当の殺人場面だったなんて!

 この犯人はどんだけグロいんだよって一人突っ込みしたり、そうか、だから地獄のマジシャンなんだって納得したり。もうここだけで気持ちがあっちへこっちへと振り回されました。そしてマジックを見ていた藤松君が貧血で倒れてしまうのもお約束のへたれっぷりでした。


 その犯人が次のターゲットを求めて繁華街をうろついている場面をどきどきしながら読んでいると、会社から帰ってきた父が本のタイトルを見て「お、ランポとナスさんのコラボか?」とわけのわからないことを言ってきました。

 ランポだのナスだのよくわかんないよ。ちゃんと説明してよって言ったら「地獄のマジシャンなんていかにもランポじゃないか、へっぽこだってズッコケのもじりだろ。狙ってるなあ、この作者」なのだそうです。作者のF先生、父の説明で合ってますか?

 それから父が言うには、「もう駄目だあ」とか「あーあ」とか、情けないことばかり言う人は口から屁をたれているみたいだからへたれって言うんだそうです。(へっぽこ探偵の藤松君がへたれだってことを説明したりしているうちに、なんかそんな話になっていました)

 F先生、へたれって屁たれだったのですか。だったらちょっとびっくりです。へたるとかへばるの意味だと思っていたので。

 ごめんなさい。感想のつもりだったのに変なことばっかり書いてますね。中二女子なのに屁とか書いてはずかしいです。父が悪いと思います。


 それにしてもあのラストにはおどろきました。最初は意味がわからなくて、もう一回読み返してやっと理解しました。ネットにあった感想では「とんでもないミスディレクション!」って書いてる人がいましたが、こういうのをミスディレクションっていうんですね。勉強になりました。ちなみに私から本を借りて読んだ父は「最悪のじょじゅつトリックだあ」って叫んでいましたけど、それってミスディレクションと同じ意味ですか。

 なんだか質問ばかりしてすいません。


 今回お手紙を書いたのは、感想をお伝えしたかったのと、あとがきに「あなたの身の回りで起きた不思議なできごとを教えてください」っていうのがあったからなんです。なので感想はここまでにして、次は身の回りで起きた不思議なできごとを書きます。(どんなささいなことでもいいんですよね。F先生からすればそれほど特別なことではないかもしれないけれど、私は不思議だなと思ったので書いてみます)


 同じクラスに、ちょっと気になっている男子がいます。名前はK君にしておきます。K君は頭が良くて話も面白いので男子にも女子にも人気があります。休み時間は、いつもK君のまわりに人が集まってわいわいと楽しそうです。私もその中に入ってみたいと思うのですが、あまり社交的ではないので、少し離れたところから話の内容を盗み聞きしています。自分でも暗いなあと思います。でもそういう性格なので仕方ありません。これって開き直ってますか?


 最近、K君たちの間ではちょっと変わった心理テストがはやっています。私が知っている心理テストは「あなたは今、海にいます」みたいな説明のあとに、「あなたが砂浜で拾ったのはなんですか」っていう質問があって三択で答えるってやつで、Aの貝殻を選んだ人は何事にも安全志向で無難なタイプとかいう性格診断をするやつです。

 でも、K君たちがやっているのはそういうのとは違っていて、問題を出す人(いつもK君です)がいくつかの単語を次々に読み上げていって、あとの人はそれを黙って聞いているだけなんです。そしてK君が「今聞いた単語から連想する単語をどうのこうの」っていう感じの説明があって(盗み聞きなので内容はよくわかりません)、また単語が読み上げられてっていうのが何回かくり返されて、最後にK君からひと言説明があってそれで終わりです。

 これだけでもちょと変わっていると思うのですが、一番不思議なのは、そのテストを受けてる人たちは誰もひと言もしゃべらないということです。K君がいろんな単語を読み上げて、ちょっと説明をして、また単語を読み上げてっていう感じで、最初から最後までK君一人がしゃべっているだけなんです。

 なにが面白いのでしょう。どこか心理テストなんでしょう。

 考えれば考えるほどわけがわからなくなります。


 以上が最近身の回りで起きている不思議なできごとです。こんなので良いのかどうかわかりませんが、書いてみました。


 鋭意執筆中の新作を楽しみにしています。

                                松島 璃子

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る