第8話
疑問だ…
私は考えを巡らせる。
理由、理由…
なんだろう、私と会話する理由、あるかな?
「美味しいわね」
侍女は黙ったまま私を見つめていたが何か考えたかのように口を開いた。
「姫様、もう少ししたらお誕生日ですね」
私はその言葉で納得した。
なるほど、誕生日プレゼントは何が良いか、リクエストの確認がしたかったのね。
私は6歳のときにこちらに来た。来てからすぐ7歳の誕生日を迎えた。その時に誕生日プレゼントは何が良いか聞かれたのだ。
私はその時に庭を散歩したいと希望して、8歳の誕生日の時に図書室に行く許可を希望した。
2つともあっさり許可が出た。
ありがたい事だ、そのおかげで私の生活は少しづつ良くなっている。
「そうね。忘れていたわ、もうすぐ私の誕生日なのね」
納得しながら口を開く。
「今年のプレゼントは何が良いですか?」
私の予想していた言葉が聞こえてきた。
何にしようか?
生活をよくするせっかくのチャンスだ。
これを逃すのはもったいない。
私は今欲しいもの、希望して許可が降りそうなものを考える…
しかし、希望が多すぎた。なかなか考えがまとまらない。
「返事はいつまで?時間があればちょっと考えさせて欲しいわ」
焦って決めてチャンスを棒に振るような事はしたくない。
「特にいつまでと言われてはいませんがあまり時間がかかるのも… できたら2日ほどで決めていただけたらと…」
「わかったわ、明日まで考えさせてちょうだい」
「かしこまりました」
彼女は返事をするとお辞儀をして出て行った。
やはり、プレゼントの事を伝えたくて話をしていたらしい
普通に話が出来るはずは無いと思っていたけど、予想していたけど、残念だな
私はため息が出た。
「まぁ、仕方ないわよね、彼女も仕事だし。考えても仕方ないわ。それよりプレゼントを、もらえるのだから何が良いかじっくり考えなくっちゃ」
私は気持ちを切り替えてプレゼントを何にするか考えることにした。
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