第3話
私は並べられた食事を見て失礼とわかってはいたが、ため息が出る
こちらの食事は正直に言って、美味しくない…
私も前の生活ではアニメを見たり、ラノベを読んたりしていたので理解はしていたが、美味しくないのは辛い、泣きそうなほど
特に私は趣味が料理で友人や家族に食事を振る舞うのが好きだった。
作れるからこそ、この食事のレベルの低さは涙が出そうだ
ラノベの主人公達が食事を再現する気持ちが痛いほど分かる
私もなんとかして、自分で食事を作れないか検討してしまうほどだ。
私が食事を黙って見つめていたためか、侍女から声が掛かった
「お食事をどうぞ」
自信たっぷりな一言だ。
まぁ、確かにそうだろう。
私からしたら美味しくない食事だが、この世界では最高レベルだ
なにせ、ここは王宮だ。
人質が差し出されるほど権力を持っている国の王宮だ。
人質とはいっても粗末に扱うほど廃れてもいない…
私はそこまで考えながら席に着き食事を始める。
「ありがとう、いただきます」
「今日はどうなさいますか?」
いかにも義務、という感じの固い声が侍女からした。
壁際に控えながら冷ややかな眼差しが私に注がれている。
私はボソボソとした水分量の少ないパンを食べる。
このパンはスープか牛乳等の飲み物がないと辛い食べ物だ
パンを無理矢理スープで飲み込みながら答える
「今日は部屋で過ごします。この前の本を図書室から持って来てもらえるかしら?」
「承知いたしました」
にこりともせず、一言だけの返事がある。
質問もなければ、提案もない。
仕方がないけど、散歩とかいかがですか?の一言でもあれば嬉しいけどな~
私はそんなことを考えながら、辛い食事を終える。
食事が辛いなんて、贅沢な事だけど
辛い…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます