第37話

わたしはリネン室に移動した。掃除が終わっているので後は中のものを移動させるだけだ。


わたしは掃除用具入れの場所も確認する。そこも掃除は終わっていることが確認できたのでリネン類は工夫をすればすべて入るはずだ。掃除用具入れは割と広い場所だった。


贅沢な使い方をしていたみたいだ。


リネン類を移動させようと置く場所を決めリネン類を移動させていく、数は多くなかった。部屋の数分はあるが予備はそう多くはない様だ。なるべく洗って使いまわしていたのだろう。数は多くはないのに大きな部屋を使っていて、非効率な話だと思ういながら作業を続けていく。




あと少しで移動が終わるときにお兄さんが来てくれた。


「遅くなってごめんね。後はここを持って行けばいい?」


「はい。ありがとうございます」


「僕だけでごめんね。父さんたちはお客さんが続けて泊まってくれることになったから、そっちの用意で遅くなってるんだ」


「そうだったんですね。良い事じゃないですか」


「そうだね。続けて泊まってもらえるのは久しぶりだから、やっぱり嬉しいね」


お兄さんは少しだけ口元をほころばせている。その様子を眺めながらリネン類の移動が終わると、次はリネン室の改造だ。と言っても大きな改造をするわけではない。




籠を置いたりタオルを置く場所を決めたり、その後は衝立ををおいて目隠しをするだけだ。


動線の確認や外から見えにくいかも確認する予定だ。


お兄さんと相談しながら仮位置で場所を決める。


ドア側から見て無ぐるしくないカモ確認する。


「どうでしょうか?タオルの場所なんかも取りにくいなんかはありませんか?」


「そうだね。籠はドアの近くが良いけどどうかな?部屋を出るときにそこに入れてもらえばいいと思うんだけど?」


「そうですね。タオルは別の場所にしますか?予備と使うものを近くに置くとたくさん使っていいと思われると困りませんか?」


「使うときに使っていい分だけ出して置いておく?それなら間違えないと思うけど?」


「そうですね。なら使わないものは布をかけて隠しておきましょうか?それなら間違われることもないと思います」


「それいいね。そうしよう」


お兄さんと相談しながら仮置きをしていく。外から見えないかも確認する。ドアの中でさらに衝立があるので大丈夫なようだ。


二人で交代しながら使い勝手が良いか人に見られないか問題ない事を確認する。


「大丈夫だね」


お兄さんが安心したように言う。わたしも安心した。


簡単ではあるがシャワー室ができたので今日から使ってもらって使用感を聞いてほしいとわたしは思っていた。


「お兄さん。ここを今日から使ってもらって「、使い勝手がいいか聞いてもらうわけにはいかないかな?」


「今日から?」


「お試しで使ってもらって、お客さん目線で問題が無いか教えてもらたら良いと思って」


「お客さん目線って?」


「使う人からすると不便な部分とかも出てくるから、教えてもらえると良いかと思って」


「さすがに今日は難しいじゃないかな?」


「そうですか」


わたしはいいアイデアと思ってけどお兄さんからダメ出しがあった。残念だ。


せめて明日からでも使ってもらって、お客さんからの感想を教えてもらえたら嬉しいのだけど。


お兄さんにその事を伝えると同意をもらえたので、初使用は明日からとなった。


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