第3話

長男との話を終わらせたわたしは、部屋で一人不貞腐れていた。




長男は慣習に従いわたしが結婚をすることを望んでいるようだ。


そうなるとわたしの味方になってくれそうなのは、二番目の兄しかいない。


セカリ兄ちゃんはどうだろう。


お家に居ていいよって、言ってくれるかな?


長男との話が終わったその足で次男の所に言って話を聞き出すのは気が引けたので、機会を見ることにして普段と変わらない生活をすることにする。




「大丈夫。まだお見合いの話すら決まってないんだから、チャンスはまだあるはず。話が出たときに聞いてみよう」




わたしは諦められなくて、そう呟くと会社設立に向けて計画を練ることにした。






この街はそう大きな街ではない。人口は正確ではないが何万人くらいはあると思うので、中核都市くらいはあるのではないだろうか。




城下に向かう途中にあり、海道沿いの街として栄えている。 


城下に行く街としては最後なので、食料を買う人や城下から出る人が品物を仕入れたりするのに使われるので、経済発展としてはそれほど条件は悪くないと思っている。


大きな商会や、もちろん冒険者ギルドもある。


紹介会社はあるのだ。




わたしが一番目に考えたことはギルドから仕事を受けることだ。しかし、これには無理がある。


第一に信用がない。わたしはなんの実績もないし、わたしを信頼度してくれる商会も人もない。そこを補うのが実績や年齢と経験なのだろうが、それもない。


ないないづくしだ。


年齢はどうしようもないことだが、実績と信頼は作ればよいのだ。


行動を起こさないことには何も生まれない。それはわかっている。


大事なことは何から始めるか、だ。


学生のわたしに出来る事はなんだろう?




わたしはコンサルティングの本質をもう一度考えてみる。




コンサルティングは相手の困っている事を考え解決すること、と思っている。本当の解釈は違うかもしれないし、細かく分けていくともっとたくさんある事は知っている。しかし、わたしの解釈では困り事の解決だと思っている。そこまで思い直して気が付いた。




「もしかして、なんでも屋さんみたいな感じで始めたらだめかな。わらしべ長者的に大きな話に繋がらないかな」




そう思い至ったのである。


困り事の解決なら街中に何でもあるはず。実績づくりにギルドや友達からの紹介で仕事を受けて、信頼を作る。それから小さな事務所みたいな場所を作って、商会みたいにすればどうだろう。ギルドみたいな紹介場ではないから仕事は被らないと思うし、後々は受ける仕事を厳選していけば良い気がする。


ご都合主義のような気がするけど、行動を起こさないよりはマシな気がする。




「やってみなくちゃわからない。とにかくやってみよう」


わたしは行動を起こす事を決めた。


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