第12話 核融合
僕達の世界でも未だに実現できていない、いわば新たな星を作るような技術。それが核融合。この技術が成功すれば環境問題の解決につながるかもしれない夢のような技術。エネルギー問題や環境汚染、地球温暖化も解決されるといういわば人類の夢そのもの。
太陽というのは知っているかな?恒星の一種で太陽系の中心にある星。一番簡単に説明するなら太陽系を一つの組織を仮定して、いわば組織の要。なくてはならない存在。太陽は僕達の世界を照らし、生命が生きていける世界にした。そして太陽が光り続けることが出来るのは太陽は核融合をして、エネルギーを生成することが出来る。つまり核融合を成功させるということは新たな星…恒星を作るのと同義ということ!
もちろん星を作るなんて気が遠くなる年月と膨大な知識が必要。もはや神に匹敵するほどの技術を手に入れようとしている。そんな技術を僕一人で出来ると思う?うん、出来ない!確実にできない!
「あああああぁああ〜…」
「ご主人さまの脳、パンクした」
ご丁寧に説明どうも…。知識をフル活用しないと達成に遠のく。はっきり言って詰んでいるし、無理ゲーと言っても過言ではない。たまにあるでしょ?序盤のモンスターが強すぎて先に進めない無理ゲー。それと同じような感じになっている。
「まだ解読不可能?」
「僕は神様じゃないからなんでも苦労せず行ける叡智を持っていないんだよぉ…」
学校で天才とか言われているけど、それは結局その学校内での評価。もしくは人類の評価。人類の中では天才で知識が豊富…だけど他の種族にとっては天才でもなんでもない存在。叡智を持っているなんて人類がその天才のことをそう言っても他の種族にとってはそのような知識は常識内なのかもしれない。
そう思うと自分はこの世界ではあまり天才ではないのかもしれない。人類の中では知識豊富かもしれないけど、僕を超える天才がこの世界にはいるかもしれない。他の種族が入り交じるこの世界なら。
「う〜ん…う〜ん…」
「頑張れ」
フィルが後ろで応援してくれているけど、悪魔が書いた種族について書かれている本のエーテルについてのページを開きながらオーブを解析しているのにちんぷんかんぷん。核融合のシステム自体は理解しているけど実践して成功するのが難しい。そんな簡単に成功できたら人類も苦労していないんだよ。
何回も実験してみたけど全部ハズレ。核融合システムが上手く作動しなかった。たまに爆発が混じっていたくらいに大外れしているのかもしれない。フィルが爆発しなくてよかったとその時は思ったよ。
「ミィ」
人間の聖女であるミィを呼ぶ。彼女は一応元この世界の神のような存在だから、手伝ってもらわないと困る。というか手伝ってもらえることで何か変わるかもしれないから。理解して、運用することが出来るかもしれないから。
「は〜い。どうしたのかな〜繋やん」
なんかいつの間にかあだ名がつけられてしまっている。まぁ、そんな事は今はどうでもいいよね。心のなかでツッコむだけにしておこう。
「エテルネルオーブの解析って出来ない…?頭の中がもう計算だらけなんだ…」
「力をほとんど失ったわちきに出来るかどうかは不明だけど、頑張ってみるよ〜ん」
ミィが解析している間に少々休憩を挟む。コーヒーが飲めないから代わりに温かいココアを飲んでいる。なおカフェインは一応入っているからコーヒーの代わりにはなるかもしれない。だけどコーヒーよりカフェインは少ないから代わりにはなれない可能性が浮上。あ〜連続徹夜作業とか嫌だ〜。死ぬ、体力がない僕では死んでしまう。人間は十分な睡眠を取らなければ死んでしまう生き物!人間というのはすぐに死んでしまう!分かった!?
「あ〜ある程度分かったからとりあえず計算書いておくね〜」
「あ〜…設計するのも僕だった…エーテル制作頑張ろ…」
またしても徹夜作業してしまい、頭の糖分が不足に不足を重ねている。ココア飲みながら真夜中まで作業しているし、明日も早起きだし、まともな環境で寝ていないし。…頭の状態を考えるなら普通に寝るべきなのにどうして僕は寝ていないのだろうか。自分で自分に問いかけても手を止めることが出来ないよ、あっはっは。
…もうそろそろ休んだほうが良いのかもしれない。
翌日・・・
深夜まで作業したかいがあってエーテルの模造品が完成した。なお頭を使いすぎた影響で僕は寝込む…。というより頭痛がひどすぎて流石に寝たほうが良いとフィルに言われてしまった。共鳴できるかどうかは知らないよぉ…。
「ご主人さま、共鳴完了した」
「オーケー…出来そうで…よかった」
という報告を受けたので僕はもう安心して寝るわ。おやすみ〜。
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