第11話 研究
エテルネルオーブが保管されている部屋にやってきた。オーブは虹色に光っていて、綺麗。だけど結構輝いているからサングラスがないと眩しさで研究に集中できないというデメリットがある。だから研究するときはサングラスのような視界の明度を下げることが出来るものを身につけている。
エテルネルオーブを研究することでこの世界の機械族の核、エーテルを模造出来るかもしれない。だから研究して構造や性質などの情報を知らなくてはそもそも模造することなんて出来ない。大きな機械とかは作るのに時間がかかるし、コストもかかる。崩壊寸前のこのエートル王国で材料が手に入るのかと言われたら怪しい。今も立て直しに時間をかけないといけないのに、個人的なことで人々を動かすわけにはいかない。
「ご主人さま、どう?」
「構造を理解しないと始まらない。これは永久機関を持つエネルギー源ということは永久的にエネルギーを生成することが出来るということ。どうやってエネルギーを生成しているか…それを理解しないと」
そもそもこのエテルネルオーブを作ったのは一体誰?戦争の引き金にもなりえるものを創作するなんて…まさか神道族?ということは…。
「お〜い、ミィ。いるかな?」
「いるよん」
「このエテルネルオーブを作ったのは神道族なの?」
「どうやらそうみたいだよん。我が上に立った頃にはなかったけど、上じゃなくなった頃に作られたものだよん」
つまりミィでもエテルネルオーブの構造とかは分からないということ?
「構造は把握していないの?」
「自分が作ったものじゃないから少ししか知らないよ〜」
いや、少しは知っているの…?
「それならその少しある知識を教えてほしい」
「分かったよん。エテルネルオーブというのはいわば恒星と同じ性質を持っているよん」
恒星…太陽などの自分で光り、熱を帯びる事ができる惑星のこと。恒星の周りにはいくつもの惑星が出来て、地球もそのうちの一つ。まぁ、言いたい事はそれじゃないと思う。恒星と同じ性質ということは…つまり。
「エネルギーを生成している方法は核融合ということ?」
「そうだよん。そしてエテルネルオーブは膜を貼っているから、エネルギーが漏れ出る心配もないんだよん」
…少ししか知らないとか言いながら結構知っているのはつっこまないでおこうかな。まぁ、彼女が言うには元々彼女は神道族の長だからこれぐらい分かってもいいのか。力は失っているみたいだけど。
「そのエネルギーはマナにも、そして電力にもなるから…こぞってみんな狙うよん。エネルギーはいくつあっても問題ないから!」
「というか今戦争しているのはいわゆる神道族が作った種族の地位争いだよね?なんでエテルネルオーブなんて作ったのか」
「戦争する理由を作ったんじゃない?神道族は見せあいで戦争を起こしているけど作られた種族からははぁ?といえるでしょ?なんで見せあいに参加しないといけないんだ〜ってよん。だから何かしら報酬がほしいわけよん。それに選ばれたのがエテルネルオーブ…と私は推察しているよん」
なるほど。戦争に勝てばエテルネルオーブという繁栄に繋がるものが手に入ると聞いたら確かに争いそうではある。永久機関を持つエネルギー、それが複数個あればどんなにエネルギーを使っても枯渇することはない。そんな夢のようなことが現実になるなんて言われたらそりゃあ、欲望が刺激される。
「戦争しても死ぬ存在が増えて、奴隷扱いされる存在が出るだけよん。それをただ見ているだけの傍観者…いわゆる観客。戦争に観客がいるという状態だよん」
「それは結構腹が立つ事。しかも無関係ならまだしもがっつり関係があるから」
「そうそう。だから元に戻さないといけないんだよん」
再度、僕達のやるべきことを認識した。研究の方は核融合システムで動いているというのなら自分もエテルネルオーブの核融合システムに使われている元素を利用してエーテルという核を作らなくてはいけない。人類は核融合システムに未だに成功したことがない。成功というより核融合発電を完成させていない。つまり、たった一人で核融合発電を完成させろとか言われている。
一つ言わせてくれ…無理に決まっているだろ\(^o^)/
「核融合のシステムなんて都合よく出来たら、環境問題なんて発生していないんだよ…」
「ご主人さま、諦めるな」
「科学者が一人のチームと呼べるか分からないチームが核融合…要するに恒星を作れって…?無理\(^o^)/」
\(^o^)/オワタ顔をしていて自分は疲れ果てている。というよりこの世界の機械族は核融合を完成させたんだよな。すっごい技術力。
「もう無理だぁΩ\ζ°)チーン」
「ほらほら〜頑張れ〜!」
「…出来るだけやってみるけどさ〜。絶対時間かかるって…」
エーテルの模造は数年も先になりそう。そんなに時間かかるなんてもうその時には異世界から脱出できているのではないのだろうか。
いいや、違いない\(^o^)/
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