第7話 中ボス戦
過冷却水が入ったガラスの瓶を投げつけまくって水の中には大量のガラスの破片が浮いている。中々怖い光景だね、現実にあったら。環境問題の極地みたいな光景でなんか恐怖を覚えるんだけど。まぁ元凶僕なんだけどね。いや、僕だけじゃないね。
「え、えいです!」
「ほい…」
二人ほど共犯者がいるということで。僕だけの責任じゃない…というのは冗談だけど。そもそもこの作戦を考えた人、僕だし。僕に全責任があるようなものだから。まぁ、あとでガラスの撤去をしておかないと。勝ったらの話だけど。ガラスってよく切れるから撤去しないと足を切るかもしれないから。水の中で切るとか水が赤く染まりそうなんだけど。毒々しい色にはならないと思うけど。
「ご主人さま…あと一発だけ」
「色々凍っているなぁ」
このような発言はサイコパスに分類するのだろうか。まぁ、そんな事はどうでもいいかぁ。ガラスが浮いているから、そろそろやりそうな予感しかしない。僕達の方ではなく、魚人族の方なんだけど。
「きゃああ!?」
「あ、引っかかった」
「うぅ…な、何とか回復した…」
やっぱりリジェネ効果で回復されるかぁ。でも一時的に動きを封じることは出来た。切った時の痛覚はやっぱりあるんだ。リジェネも痛みを回復させるものじゃない。ガラスで深く切ったらめちゃくちゃ痛そう。痛覚も反映されるんだから、痛覚で一時的に動きを封じて奥の手を使うのがいいかもしれない。
この…えっと、名前は…ヴァッサーだった。ヴァッサーはゲームとかでいうと中ボス的ポジションだからすぐさま決着をつけないと。
「ガラスの破片で切るというのなら…!もう決着をつけさせてもらうぞ!」
あ、来た。水生成。どれくらい水を作れるかの問題なんだけど…。さて想定より大きく上回らないといいけどね。
「溺れろ!シーファブリケ!」
あ、なんか名前で読めた気がする。フィルがすぐさまリーヴルを連れて僕のそばにやってきた。
辺り一面が水になった。シーつまり海、ここあたりにあるのは海水だと思って舌で少しだけ舐めてみる。思ったとおりしょっぱい。というか魚人族は海水でも適応出来たのか。まぁ、予想通りなのかもね。
「これで溺れる事しか出来ない!私に挑んだことを悔やむがいい」
残念ながら、悔やむ必要ないのですわ。
リーヴルが掴み、必死で溺れないようにしている。目をつむったまま僕はフィルに指示を出した。フィルは防水で海水でも大丈夫なような設計しているから目も普通に見える。だから…よし、奥の手…というより最終手段を使うぞ。
「…理解、した!」
フィルの足に取り付けられている加速器が作動した。電気で使用しているけど、防水機能は徹底している。それであの実験の時にためておいた空気を一気に放出する!
そして一時的に水から脱出する!
「逃がすか!」
流石にこのスピードで追いつけるわけない!たとえ水と同化することが出来る魚人族でもな!魚人族が自ら開けた穴を境目に水がない!あそこに行けば!
行けた!それで次の指示を!
「フィル、モバイルバッテリーを!」
「承知」
モバイルバッテリーにためている電気を放出し、水の中に入れる。海水は淡水よりも電気が通る!…死ぬかもしれないけど、そこは防護して…。完全なる人任せ過ぎて自分が嫌いになる。
ーああああああああああああああああああああああああああああ!ー
…すごい断末魔だ。
そして水が一気になくなっていき、穴から戦場の方に目を向けると魚人族が倒れていた。よし、これで一応…勝ったとはいえるのかな。
中ボス戦は勝つことが出来た。レポートが出来るならやりたいところだね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます