第4話 魚人族と魔法(主に解説)

 魚人族について色々と調べてみた。どうやら魚人族というのはそのままで魚人の集まり。人魚のように足がヒレというわけではなく、耳がエラのようになっていて足は人間と同じような足らしい。人魚は「妖怪族」の一種であり、水棲の種族ではあるが魚人族の一人ではないらしい。

 魚人族は水中で暮らす種族で、体質として細胞を水と同化…というより水に溶ける事が可能らしい。水さえあれば色々な攻撃を回避出来るらしく、水ごと攻撃しなければ倒せないらしい。…簡単だろ、これ。なんで対処できないんだ?ま、これだけではないとは思っていたけど…どうやらまだ魚人族には特徴があるみたいだ。…それを思考する前にこの世界について知る必要があった。

 この世界について本を読んでみても普通に対応できる。この世界は「マナ」と呼ばれる精霊族によって生み出される…まぁ魔法の源が存在する。実際、この世界には魔法と呼ばれる非科学的で僕達の世界では考えられない現象を起こすことが出来るみたいだ。物理法則を無視していると言うか、僕達の常識や法則は通用しないのかと思った。だけど…体感的に言って重力はさほど地球と変わっていないし、世界のあらゆる法則は地球と酷似…しているかもしれない。それならまだある程度抵抗出来るかもしれない。

 魔法には属性という概念が存在し、それらを派生させて真新しい魔法を生み出すことも出来る。炎、水、風、闇、光、特殊…それがこの世界で6大万物魔法属性とされている。さっき僕が言ったことを詳しく言うのであれば、この属性という概念に電気は存在しない。バッテリーがないから「電気」という概念自体が存在していないのかもしれないが、種族序列一位の「神道族」は雷を落とす事ができるとされているから「雷」つまり「電気」の概念自体は存在するということだ。ならどうやって魔法属性概念に存在しない属性を生み出しているのか。

 答えは簡単、「雷」は「光」の派生属性、実質「光属性」と言っても過言ではないとされている。…まぁ、電気は目に見える時もあるから光と言ってもいいかもな。僕達の世界では光=電気ではないんだけど…いやある意味=なのか?光は太陽が放出している世界を維持するためのエネルギーと言ってもいい。実質、僕達の世界では太陽光発電だってあった。完全に=ではないとしてもかなり近い存在であるのは間違いない。…かなり語ってしまった。というか僕、頭の中で色々試行錯誤しすぎじゃない?誰に向かっていっているの?これ全部現実世界に漏れていたら僕、独り言がうるさい気持ち悪いやつになってしまう。

 …まぁいいか。いや、よくないけど。魚人族が主に使う魔法属性は「水」。主な派生属性は「氷」。中にはもっともっとあるだろうけど氷ぐらいしか今は発見されていないらしい。…水で派生になりそうなのは…元素とか天候とか?あ、元素はほぼすべての属性に当てはまるか。…また無駄話してしまった。とりあえず魚人族は派生属性である氷属性は使用出来ないらしい。…そりゃあ凍るもん。水ごと攻撃できてしまうから。しかも水の中だと氷って溶けていってしまうからね。使用出来ていても地上よりも溶ける拘束魔法とかいらないよね。

 魚人族の最大の特徴は水に同化出来るというのもあるけど、それ以上に水の中だとスピード、火力…それまではいい。自動回復のおまけ付き。いわば水の中限定で再生能力を持っているということだ。リジェネ効果…条件付きであるとは…これさえなければ電気ビリビリで瞬殺だろとか思っていたけど。魚人族…なんか聞くからに電気が弱そうだと思わない?水生生物にとって電気は天敵中の天敵なんだからね〜。某会社の超有名ゲームでも水は電気に弱かったからね。おっとこれ以上はまずい。

 リジェネ効果があるってだけで魚人族の攻略には時間がかかる。電気ビリビリしているだけではリジェネ効果で相殺されるだけかもしれない。いや、ダメージ受けて→回復して→ダメージ受けて→回復してのルーティンはなかなか辛いとは言え降伏させなければ意味がない。というか殺すのは無理だ。殺人者にだけはなりたくねぇ…。降伏出来たとしても恨み買っていそうで怖い。力を見せつければ忠誠を見せるタイプとかだったら一番ラクなんだがあいにくこっちは全く力がない。知識を見せれば?そんな事が出来たらいいんだけどな。

 …えっと…なんだっけ。あぁそうだ、エテルネルオーブのことだが…どうやら各種族の長が持っている莫大な永久機関を持つエネルギー源でこのエネルギー…マナを求めて幾多の戦争が今も繰り広げられているらしい。どうして共生の道を選ばないのか不思議でならないが…というかこの話を聞いている限りエテルネルオーブが一つでもあれば十分だと思うんだが…まぁ恐らく限度というものがあるんだろうな。永久機関があるとはいえ膨大に使っていたら貯蔵量を使い切り、マナがまた貯蔵されるのを待たないといけない。…そういうのを防ぎ、安全に発展したいからエテルネルオーブを強奪しているらしい。

 ということは今の人間族の長が持っているエテルネルオーブは魚人族に奪われてしまっているということか。…こりゃあ奪い返さないといけないパターンか?異世界から元の世界に戻るためには最低でも人間族とも交流を持つ…というより協力を仰がないといけない。だけど人間族がこれではどうあがいても僕達の都合にかまっている暇ではない。…となるとこの騒動を収めないといけない…ということか。

 それにいい情報もあった。機械族の内部構造についての本だった。リーヴルに聞いてみるとこれは悪魔族から強奪してきた本らしい。悪魔族は一番知能が高い種族とされているから本を読めば対抗出来るかもしれないと…全種族のことについて書かれた本を命がけで盗んできたらしい。…まぁ、おかげで機械族の内部構造が分かるからフィルの改造にも繋がるんだけどな。

 内部構造で機械族の動力源になっているのはエテルネルオーブを模倣して作ったエーテルという動力源を採用しているらしい。貯蔵量はエテルネルオーブとは圧倒的に劣るがエテルネルオーブとは違う特徴が存在する。それはマナを吸収することが出来ること。マナを吸収して生命活動を開始するためのマナを貯蔵する機械部位とは違う機械部位に入る。それは魔法とかを使用するマナを貯蔵する…そしてそれを使用して魔法を使用するらしい。…構造とか記されているから…エテルネルオーブを見ればなんとかなるかもしれない。フィルを改造出来るかもしれない。生命活動は永久機関が入っているから壊れたり、経年劣化しなければ大丈夫だ。

 「…さて最低知識はこれぐらいで大丈夫か」

 「最初の目的…」

 「あぁ。魚人族からこの都を取り戻す。本によると人間族が持つエテルネルオーブはこの王都にあるらしいから都奪還は絶対条件だ」

 「…頑張る」

 現在のフィルは少しだけ戦闘能力を持っているが貯蔵電力が尽きないために戦闘能力は控えないといけない。…フィルは今、全く戦闘することが出来ない。普通は護衛役だけど今回は僕はフィルを守らないとな…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る