第19話

グランド王国の裏街道に辿りつくと、その場所は、地面がまだ舗装されていなく、土となっていて、建設中の建物が、何件か発見、広場みたいな、何もないスペースがぽつんと存在していた。


「どう? この場所なら、問題はない?」


リアが聞いてきたので、僕はと言うと


「うん、問題はないかな? じゃあ、まずゴールの組み立てから、はじめようか?」


そう言うと、リアの母親が


「よし、まず何を始めればいいのかい?」


そう聞いてきたので、僕は「網を使って、ゴールを作りましょう」と言って建設中の家に向かい、作業している人に


「ゴールを作るので、柱を貸させて貰ってもいいですか?」


僕がそう言うと


「ゴール?よく分からんが、今は休憩中だ、壊さないのだったら、別にいいぞ?」


そう言ってくれたので、網を使って、ゴールを作る事にした。四本の柱に網を被せて、ゴールを作り上げる。


「これが、ゴールです、この網がかかっているスペースの中に、このサッカーボールを蹴って入れる遊びなんです」


「へ~さっき、二つ必要って言ってたけど、もう一つゴールを作るの?」


「そうですね……いや、今は一つのゴールだけでいいと思います、人数も少ないし、二つ必要なのは、もっと広いスペースが必要なので」


「そうなの」


「はい、じゃあまず、ボールを地面に置きます」


そう言って、僕はサッカーボールを地面に置く。そして、リアにこう言った。


「リア、あのゴールに向かって、蹴ってみて下さい」


「解った、こうね?」


そう言って、リアはゴールに向かって、サッカーボールを蹴り上げる。ボールは、まっすぐ飛び、ゴールの中に入った。


「へ~結構軽いから、よく飛ぶのね~」


「今のゴールで、一点となります、このサッカーは、お互いのゴールにボールを入れて、点を競い合う競技って感じですね」


「そうなんだ、大体解ったわ」


「それじゃあ、この格好だと汚れるので、着替えますね?リアはその格好でするの?」


「私も服が汚れるのはね……着替えるわよ」



リアもそう言ったので、一緒に着替える事にした。そう言えば僕以外で女性の下着とか見るの初めてかも……僕はまだ幼女だし、リアも少女なので、それほど魅力は無さそうだけど、もうこの体に慣れたと言うか、綺麗だなという感想しか無かった。

用意された服装に、着替え終わった後。


「じゃあ、ゲームを始めましょう、ゴールの前に立って、ボールを弾くゴールキーパーと、ボールを蹴ってゴールに入れる係りを決めて、遊びましょう」


「りょ~かい、じゃあどっちが先に蹴る?」


「じゃあ僕から、これを五回やって、どっちが先に三点入れられたら、勝ちとしましょう」


「解った、ボールを止めればいいのね?」


「はい」


そう言って、リアはゴールの前に立ち、構えた。その光景を見ている作業員達が「なんか、面白そうなのやってるな?」とか言っていた。

僕は、五メートルぐらい離れた位置にボールを置いて、ゴールに向かって、ボールを蹴る。ボールは右に曲がり、リアはパンチングをして、ボールを弾いた。


「これって、入った事にならないよね?」


「うん、でもよく解ったよね?」


「まあね~こっちに来るかな?って思ってね? じゃあ、次は私の蹴る番よね?」


「うん」


そう言って、攻守交替をして、今度はリアが蹴る番になった。そして、あっさりとゴールに決められて、次は僕の番になり、意表をついて、左に蹴って、あっさりとゴールに入れる。

そして、結果はどうなったのかと言うと、3対2でリアの勝利となった。


「ふ~、結構楽しかったよ」


「それはよかった、とまあこんな感じに遊ぶ物ですよ、まあ、本当は男が夢中になる遊びで、人数も十一人必要なんだけどね……」


「そうなんだ……でも、この遊び、流行らせたら、結構広まるんじゃない?」


「う~ん、そうかも……」


そう話していると、リアの母親が


「もう、暗くなってくるから、ここまでにしときなさい?」


と言ってきた。僕は、アリサ母に「暗くなるまでに帰りなさい」と言われているので、リアにこう言う。


「リア、僕、もう帰らないと」


「あ、そう?じゃあ片付けて、広場に戻りましょうか」


そう話していると、作業員の男が


「ちょっといいか?」


そう聞いてきた。

僕は「何ですか?」聞いてみると

サッカーを見ていて、興味がわいたから、ボールをくれないか?と言ってきた。僕はリアに「ボールを渡してもいいかな?」と聞いてみると、リアは「売れる見込みもなさそうだったし、必要としてくれる人がいるのなら、渡してもいいわよ?」と言ったので、僕は作業員の男に、サッカーのルールと遊び方を丹念に教えて、サッカーボールを男に手渡した。

男は「ありがとう、仲間を集めて、早速遊んでみるよ」と言って、何所かへと行ってしまった。ボールを渡した後、一度広場に戻り、着てる作業着を脱いで、私服に着替えて、リアと別れて、家に戻る事にした。

後日、町の噂で「サッカーと言う遊びが流行ってるらしい」と言う噂を聞いたのでした。

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