第7話

僕がエリスとなり、早いもので一週間が経過しました。

とりあえず分かった事は、エリス・ジラードと言う名前で、父親の名前が、エリック・ジラード、母親の名前が、アリサ・ジラードと言う名前だった。

で……エリスはジラード家の一人娘で、年齢が七歳と言う事。

僕、七歳だったんだ……やけに幼いなあと思っていたけど、思いっきり少女だったんだ。

時間の進みが、日本と変わらず二十四時間で、時間の読み方も、何時何分と言うみたいだった。アルバ大陸のグランド王国に住んでいて、アリサ母が言うには、季節だけ変わっていて、春と秋が無く、夏日と冬日と呼ばれる気象だけで、日本見たく、四季が無く、パンはあるけど、ご飯と言う物が、グランド王国には伝わっていなく、別の国の料理としては、伝わっているみたいだった。

もしご飯があったら、絶対に食べたいと思う、うん。

とりあえず……色々と調べて分かった事は、このエリスって子は、学校と呼ばれる場所に強制的に行く必要が無いと言う事。

日本じゃ、義務教育の一環として、小・中・高の学校に通う事になっていたけど、この世界では、自分の意思で「学校に行きたい」と言って、学校に行く事になるみたいであった。

あと、魔法を使ってみて感じたのは、魔法は魔力量を計算して、一日に五回使えると言う事が分かった。

前に練習した後、再び、メイドのマリエスとシュミッツ平原に行き、そこで魔法の回数を調べて、五回唱えると、魔法が使えなくなったので、魔法の使用回数が分かり、その次の日に、寝たら魔力が回復してるみたいだった。

魔法って誰でも使えるのか?って聞いてみたけど、才能の無い人は魔法は使えないらしい。僕はアリサ母が魔法使いの才能があったんで、使えるみたいだった。

このエリスと体になって、一週間が過ぎ、今日はどうしようかな……と思い、一人で冒険してみようかな……? と思って、外行きの服装に着替える事にした。

幼女に近い体なので、それに合った服装を選び、メイドのマリエスが「お嬢様、このリボンをプレゼントします」と言って、青色のリボンをくれたので、それを髪の両端に結んで

赤色の服に、ピンクのスカートを着る事にした。もう、スカートとか女物をはいても、全く抵抗感がなくなったかもなあ……

だって元の姿に戻る方法とか全く解らないし、それに……もう結構な日数が経過しちゃったから、元の自分の体がどうなってしまっているのか……と思うと、かなり恐怖だった。

だってもう……ぼろぼろの可能性だってあるわけだしね……

今の僕は、エリスとして生きている訳だし……エリスとして、過ごして行くしか無いのかもしれなかった。

用意された服装に着替えた後、鏡で身だしなみをチェックして、エリス家から、外に出る。外の町並みは、グランド王国の中なので、人がたくさんいて、にぎわっている。

最初何所に向かおうかな? と思い、広場の方に向かう事にした。

数分歩いて、広場に辿り着くと、色々な人がいて、音楽を弾いていたり、出店を開いていたりしているのを発見。

とりあえず僕は、出店を見て回る事にした。色々な品物を物色してると


「あ、お客さん、何か買っていきませんか?」


そう言われて声のした方向を振り向いて、驚いてしまった。

だって……声をかけて来た人物って、僕が告白しようとした女の子にそっくりだったからで……けど、この子は僕が告白しようとした子とは髪の色が違っていたので、別人だと思う。

まあ、ここ異世界だしね……とりあえず……平気な振りをしつつ、尋ねられたので


「何かって……一体何が置いてあるの?」


そう僕が聞くと、少女が


「今、置いてあるのは、南方より取り寄せた「オコメ」と呼ばれる穀物です、値段は1000ベニーです」


オコメって、ご飯の事か!?と思い、品物を見てみる。すると、確かにそれは僕が見慣れた白米だった。


結構な量があり、軽く3キロぐらいあるんじゃないか?って思う

それを1000ベニーって、安いのか高いのかちょっと分からないけど、アリサ母から頂いたこの一枚の金貨で、買えるか試してみようと思った。


「じゃあ、それを一つお願いします」


「毎度ありがとうございます」


そう言ったので、僕は金貨を一枚、店員の少女に渡す。


「貴女……もしかして良いところのお嬢様だったりするのかな?見た目も幼いしさ?」


「えっと、そう見えますか?」



「うん、結構可愛い顔してるし、貴族のお嬢様って言われたら、そう見えたりするよ?オコメを購入だよね?結構量がありますから、重いですけど、運べます? 家まで送りましょうか?」


「あ、じゃあ、それでお願いします」


「任せて下さい、母さん、荷台の準備お願い」


そんな事を少女がいい、えらく年季の入ったおばさんがやって来て


「了解、じゃあ準備するわね」


そう言って、おばさんが何所かに行き、荷台を持ってきて、その上に、買った品物を載せた。


「じゃあ、これで運べるよ? 荷台を使ってるから、リア、あんたが運ぶ?」


「うん、分かった、じゃあ運ぶわね?」


リアと呼ばれた少女が、荷台を引いたので、僕は


「あの……手伝いましょうか?」


僕がそう言うと


「大丈夫大丈夫、こんなの簡単だから、さ……家に案内してくれるかな?」


「あ、はい」


そういって、僕はリアさんに、エリスの家に案内する事にした。

エリスの家に辿り着き、リアさんが


「あ、この家って事は、ジラード家の者なんだ?」



「う、うん、エリスって言います」


「あ、私はリア・エイリスよ? いつもは、母さんの手伝いで、出店を手伝ってるんだ。広場でお店とか開いてるから、またお店にやってきてね?」


「あ、うん」


「毎度、ありがとうございます~」


リアにオコメを運んでもらい、僕は、内心嬉しかった。これで、ご飯が食べられると言う事に、メイドのマリエスに頼もうかと探したけど

家の中にいなかったので、家に戻ってくるまで、待つ事にしたのであった。

時間が過ぎていき、夜の時刻。

メイドのマリエスが、エリス家に戻ってきたので、僕は、マリエスに


「マリエス、これの調理方法わかる?」


昼ごろに購入した、オコメと呼ばれる物を見せてみる事にした。オコメをマリエスに見せると、マリエスは、ちょっと考えた後


「いえ……お嬢様、これは、食材なのですか? 始めて見ます」


そう言っていたので僕は、こうなったら一緒に作ってみるのもいいかもしれない……と思い、マリエスに


「じゃあ、一緒に作ってみようよ? これの調理方法知っているからさ?」


そう言ってみると


「そうなのですか?お嬢様? お嬢様……料理した事ありましたっけ?まあいいでしょう、解りました、お嬢様のお手伝いを致します」


と言ってくれたので、僕は、マリエスと一緒に、オコメの調理をする事にした。

まずマリエスにオコメを運んでもらい、調理場へと向かった。始めて入る調理場は、なんと言うか……フライパンがあり、まな板があり、包丁があり、ガスコンロ見たいな物、流し台があったので、日本とほとんど変わらないんじゃないか?と思ってしまった。

よく見てみると、ガスコンロの火の着け方が解らなかった。

日本じゃ確か……スイッチを捻るタイプだっけ?と思い、今、ここにあるのは、三つのスイッチだけなので、これを押したらつくのかな?とか、そう思ってしまった。


「お嬢様、オコメと言うのを持ち運びましたけど、まずどうします?」


マリエスがそう聞いてきたので、僕は


「まず、オコメを洗う作業から始めます」


そう言って、ボウルがあったので、そのなかにオコメを入れて、水で洗う。洗っていると、白い液体が出てきたので、それを流して、再び洗う。

それを何回か繰り返し、水も透明に近い色になったので、あとは炊くだけだけど

ここは、異世界なので炊飯器というのが存在していなく、じゃあ、どうするかと言われると、フライパンがあるので、それで焼くしかないかな?思い、マリエスに


「あとは、これを焼くだけだけど……マリエス、これってどうやって火を?」


そう言うと、マリエスが「お任せ下さい、お嬢様」と言って、火を着けてくれた。

フライパンの中に、さっき研いだオコメを入れて、数分間焼いてみる。

すると、少し焦げ目がついたので、そろそろいいかな?と思い、ちょっと味見してみる。

味見をしてみると、まあ、炊飯器がないので、お米の味には遠かったけど、食べられた。


「これで一応完成だけど、マリエス、ちょっと食べてみて?」


「あ、はい、解りました」


マリエスに食してもらうと、マリエスは


「あ、美味しいです、お嬢様!」


「よかった……あとは、おかずだけど……」


「あ、それなら私にお任せ下さい」


「そう?じゃあ、私は、これを食卓にもっていくね?」


「かしこまりました」


そう言って僕は、オコメを食卓に持っていき、食卓に並べた。エリスの両親は、オコメを初めてみるのか?なんだか驚いている感じがした。

オカズが出来るまで待っていると、マリエスが


「お待たせしました」


そう言って、目玉焼きとハムサラダみたいな物を持ってきた。マリエスがおかずを食卓に並べて、こう言って来る。


「今日はお嬢様も手伝って下さいました」


「そうなの? エリスちゃん」


「はい、これは南方の国で伝わってる料理、オコメというらしいです、お父様、お母様、食べてみて下さい」


「う、うむ、エリスがそういうなら、頂こうじゃないか? なあ、アリサ」


「え、ええ、そうね?じゃあ、頂きましょうか?」


そう言って、食事が始まった。


結果的には、両親は「旨い、南方の国の料理もいいものだな」とエリック父がいい


「ええ、本当に、これなら毎日食べてもいいわね?」とアリサ母がそう言ってくれた。


まあ、僕としては日本食の定番として、味噌汁が欲しいな……と思っていて、もし大豆と言う豆があって味噌汁というのが存在していたのなら、食べたいなあ……と、そう思っていたのでした。

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