第3話
どうやら、今日の活動は、「アリサ母と買い物に行く」という事に決まり、このグランド王国の事を見て回ろうと思っていたのであった。
僕が、エリスとなり、今日はエリスの母親のアリサ母と一緒に、グランド王国で買い物に行く事が決まり、メイドのマリエスに外行きの服を着せられた。ちなみに着せられた服は、ピンクの服にロングスカート、このロングスカートがちょと変わっていて、後ろと前に物を入れるポッケらしき物が、装着されていた。
男だった僕が、女子用の服を着せられて、どうしよう……と思ったけど、今の体が、エリス=少女になっているので、この服装にも慣れないとなあ……と思ったので、外行きの服で、外に出る。外に出ると、アリサ母が待っていた。
アリサ母の服装を見てみると、なんか豪華な服装だった。でも物凄く似合っていて。かなり綺麗に見える。
「じゃあ、行きましょうか? エリスちゃん」
そう言って、手を握ってきたので、僕は、何も言わず、一緒について行く事にした。お屋敷から離れて、思った事は、グランド王国の人の多さだった。色々な人種の人がいて、結構にぎわっている。それにしても……一体、何を買うんだろう……と思ったので、アリサ母に聞いて見る事にした。
「お母様、一体何を買うのですか?」
そう聞いてみると、アリサ母は
「そうねえ~……じゃあ、食材とエリスちゃんの武器を買いましょうか?」
「武器……?」
「ええ、エリスちゃん? 剣と杖、どっちがいいかしら?」
そう聞いてきた。剣と杖って、杖があるということは……もしかして……気になったので、アリサ母に聞いてみる。
「杖って、もしかして魔法があると言う事ですか?」
「ええ、あるわよ」
即答だった。魔法があるって事は、魔法使いになれる可能性が出てきたって事だから、僕はアリサ母に
「杖がいいです」
そう言うと、アリサ母が
「解ったわ、じゃあ武器屋に行きましょうね」
僕の手を取って、武器屋があると思われる場所に向かうみたいだった。グランド王国の城下町の中を歩いて数分、剣を象った看板が目印の武器屋と思われる店に辿り着き、店内に入る。
「いらっしゃい、お、アリサ嬢ではないか、久しいな」
そう言ったのは、バンダナに無精ひげを生やした四十ぐらいの男で、軍手らしき物を嵌めている。この人が久しい……と言ったと言う事は、アリサ母は、この店に前にも来た事があるのか? と思ってしまった。
「確かにそうだったわね……何日ぶりかしら?」
「この店に来たのは、結構前じゃないか? それよりどうしたんだ? 何か欲しい物でも?」
「ええ、娘が杖を欲しいって言ってね? 娘に合うような杖って、ないかしら?」
「娘って言うのは、ああ、エリス嬢か、会うのは初めてだな? 俺は、武器屋の経営者のゴードンだ、よろしく」
ゴードンさんと言う人が、そう言って来た。
「ゴードン、何かある?」
「そうだな……エリス嬢に似合いそうな杖は……こんなもんか?」
そう言って、立てかけてある一本の杖を取り出した。金属風な感じの杖で、長さはエリスの体の半分ぐらいの長さだった。
「これは、メッシュの杖っていってな?まあ、初心者用の杖だな」
「エリスちゃん、これでいい?」
アリサ母がそう言って来たので、僕はメッシュの杖を握って、振ってみる。手に馴染むと言うか、使い勝手がよく、使いやすそうだった。
「どうやら、気に入ったみたいね?これにするわ」
「そうか、値段は100ベニーだ」
「そう」
そう言って、アリサ母が、一枚の銀貨を取り出して、それをゴードンさんに渡す。
「ありがとうございました、またのお越しをお待ちしてるぜ?」
「じゃあ、買ったし、いきましょうか?」
「あ、はい」
僕は、杖をどうしようかと考えて、後ろのポケットの中に入れておく事にした。さっき、アリサ母が銀貨を取り出したという事は、この世界で使われているお金は、ベニーというらしい、一体どのぐらいの価値があるのか? が不明だけど、とりあえず、僕の装備にメッシュの杖という物が、加わったのであった。
「じゃあ、次は食材の買い物をしましょうね?」
そうアリサ母がいったので、僕は、黙ってついていく事にした。武器、メッシュの杖を手に入れてから、アリサ母に連れられて、グランド王国の端の方と思われる、居住スペースにやって来た。よく観察してみると、色んな恰好をした人達がいて、出店らしき物も出店している。
一体何が売られてるんだろう……? と気になったので、売られている品物を見てみると、壺だったり鏡だったり、アクセサリーやバックらしき物、小物入れとか、とにかく色々な物が売られていて、凄いなあ……とちょっと、思ってしまった。
「エリスちゃん、今日は何が食べたいかしら?」
アリサ母が、そう言ってくる。何が食べたいか?って言われても……食材と思われる品物を見てみると、お肉とお魚が売られていた。
魚か肉……どっちがいいかな……? と思い、今日は何となく、魚が食べたいので
「じゃあ、お魚で……」
そう言ってみると、アリサ母が
「そう、じゃあ今日はお魚にしましょうね? すみません~」
魚を売っている店員にアリサ母が、交渉をしだした。
「この魚とこの魚とあの魚、下さいな」
店員の女性が、ありがとうございますと言って、魚を袋に入れて、氷を中に入れている。
「サービスで冷やしておきますね? 代金は、200ベニーになります」
「じゃあ、これで」
そう言って、アリサ母が、銀色の銀貨を二枚取り出して、店員に渡していた。
「ありがとうございます、また、お越し下さいませ」
「さあ、買ったし、もう戻りましょうか? それともエリスちゃん、他に行きたい所あるかしら?」
アリサ母がそう言ってきたけど、行きたい場所と言われても、全くというか見知らぬ土地に近い存在だったので、とりあえず今まで通って来た道を覚えるのに精いっぱいなので
「いいです、特に見たい物はないです」
僕がそう言うと、アリサ母が
「そう、じゃあ、今日はもう帰りましょうか? あ、魔法の事だったら、書斎に魔術の本があるから、それを閲覧するといいわよ? じゃあ、帰りましょう」
そう言って僕の手を握ってきて、お屋敷に戻る事になった。こうして、僕の初めてのお買い物が終わったのでした。
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