第204話 何かしないと生きている意味がない・・・・?
あるドキュメント番組で、インタビューを受けていた年配の方が、はっきりきっぱりと、口にしていた。
「だって、何かしないと生きている意味なんてないでしょ。そう思わない?あははは!」
その男性は、大手企業を定年退職後、周りの人からお願いされて、現在司法書士の資格を取得するべく勉強をしているという方。
今までさんざん働いてきて、まだ資格取得のために勉強するとは、すごい方だなと尊敬はしたけれども(わたしは資格取得に興味なし。おそらく今後困る事になるだろう・・・・とは思うけれども、興味が無いものは仕方が無い)。
ちょっと、ね。
この言葉には、だいぶひっかかった。
生きている意味があるかないかなんて、人が決めるものじゃない。
ましてや、本人が決めるものじゃない。
わたしはそう思う。
ただ、そこにいてくれるだけでいい。
そう思う人が1人でもいれば、生きていることこそが意味があることになる。
と、わたしは思っている。
まぁ、考え方なんて人それぞれなので、「何かしないと生きている意味なんてない」という考えを持っていて、それがその人の生きるモチベーションになっているのであれば、それはそれでいいし、素晴らしい事だと思う。
だけど、みんながそう思っているなんて、思わないで欲しい。
それは大きな勘違いというものだ。
この、たった一言に、なんだかものすごく腹が立ってしまって。
わたしはその後のこの番組を見ていない。
とても不愉快だったから。
何かしたくてもできない人がいる。
そのような人たちを、全否定するようなこの言葉が、わたしにとっては不愉快極まりない言葉だったから。
反対にね。
「生きてるだけでまるもうけ」
この言葉、大好き。
言わずと知れた、明石家さんま師匠の言葉。
そうなのだよ。
生きてるだけで、まるもうけなのだよ。
生きているだけで、生きていただけで、ほんの一瞬でもこの世に生を受けただけで。
ただそれだけで。
たくさんの意味があるのだと、わたしは思う。
難しいね、言葉って。
何の気なしに発した言葉が、こんなにも人を不愉快にさせる。
司法書士の資格取得のために勉強されているあのご年配の方だって、まさかこんなに不愉快になっている人がいるとは、思いもしないだろう。
彼は彼なりに頑張っていて、良かれと思って発した言葉だと思う。
わたしも、気を付けなければ。
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