第200話 最近気に入った言葉

『氷は水より出でて水より寒し』


 ご存じでした?

 わたしは恥ずかしながら知りませんでした。

 意味は


『青は藍より出でて藍より青し』


 とほぼ同義。

 でも。

 わたしはなんだか


『氷は水より出でて水より寒し』


 の方が好きだなぁって思った。

【水】が好きだっていうのはもちろんあるけど(笑)、おそらくは『親しみやすさ』の違いかなと。

 今の時分、藍から青の染料を作るとか、しないし見かけないし。

 それはもう、伝統的な技法とか、昔の話とか。

 そんなイメージなんだよね。

 だけどさ。

【氷】も【水】も、【寒い】も、めっちゃ身近でしょ。

 ストレートに分かりやすい。

 伝わりやすい。


 なんでこの言葉、今まで出会わなかったんだろうか・・・・(それはきっと圧倒的に読書量が足りていないから)


 当たり前の事言ってるなぁって思う(笑)

 氷が水より寒い(冷たい)のは当たり前だもの。

 でも、青が藍より青いっていうのも、当たり前だったんだよね、きっと。

 わたし自身の感覚としては、藍色と青色は別の色で、比べる対象ではないっていう感覚だから、余計に??な感じ。

 藍から青が作られたっていうのは、知識としては持っているけど、実際に体験したことは無いしさ。

 青は青なんだから、藍より青いのは当たり前じゃない?だって青なんだし。

 って思う。

 それが【藍】から作られた、ってことに意味がある言葉なんだろう、とは思うのだけど、とにかく実感が・・・・(^^;)


 だから、なんだろうね。

 言葉がどんどん変わっていく、言葉は変わらないのに意味だけが変わっていく、という現象が起こるのは。

 これはもう、自然な事なんだろうなって思う。


 よく、【よく使い方を間違われる言葉】みたいなの、あるでしょう。

 国語のテストとかでさ。

 ●気の置けない

 ●おっとり刀(押っ取り刀)

 ツートップのような気がする(笑)


 まず、気の置けない。

 反対語の「気を置く」なんて言葉を、今の時代使わないんだから、そりゃ使い方も間違うよねぇ?


 次に、おっとり刀。

 ・・・・今の時代、許可取らないで刀なんて持ってたら、お縄だよ?(笑)

 だからこそ、「おっとり」の方にひっぱられるんだよね、意味が。


 やっぱりさ。

 実感が伴わない、親近感が持てない言葉っていうのは、誤用も多いし忘れられていくんだろうなぁ・・・・


 でもそう考えると。


『氷は水より出でて水より寒し』


 やっぱり、何故今までこの言葉と出会えなかったのかが、不思議でならないなぁ?

 なになに、照れやさんなの?

 恥ずかしがり屋さんなの?

 ここで、満を持してわたしに会いに来てくれたのかな?

 もう、可愛いなぁ( *´艸`)


 大事にしようっと。

 この言葉♪

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