第146話 あの頃に戻りたい。そんな時なんて、ない。
『花子とアン』
だったかな。
NHKの、朝の連ドラの。
主人公が女学校を卒業するときにね。
『この先、ここでの学校生活が一番幸せだった、と思うようなら、この学校での教育は失敗だったと言わざるを得ない』
みたいな内容の言葉を、校長先生が卒業生に送るんだよね。
素敵だな、って思ったんだ。
いつだって、【今が一番幸せ】って思えるようになって欲しい、って事でしょう?これって。
人生、そんな上手くいく人ばかりじゃないけどさ。
でも、山あり谷ありだったとしても、よりよい幸せを掴み取って欲しい、という、校長先生の切なる願いが込められた言葉だよね。
・・・・ずいぶん、おっかない先生だったけどね(笑)
それに感化された訳じゃないんだけど。
結構若い時から、
『あの頃に戻ってやり直す事ができたらなぁ』
って思ったことって、無いと思うんだ。
一瞬だけ戻りたい時点なら、ある。
確実に、ある。
でも。
そこからまたやり直すっていうんなら、話は別。
今がもう天井知らずに幸せで幸せで仕方ないから戻りたくなんてないの~♪
という訳じゃないですよ?
いや、幸せですが。かなり恵まれていると思うし。色々な事に対して、有りがたいとも思っているし。
でも、100%満足しているかといえば、そうではない。
・・・・100%満足している人って、そうそう居ないとは思うけど。
わたしにだって、不満のひとつやふたつ・・・・やみっつやよっつや・・・・数え上げればキリが無いほど、ありますよ。
それでもやっぱり。
戻ってやり直したいなんて、思わないんだな。
もしかしたら、ね。
ある地点に戻ってやり直したとしたら、今持っている不満の半分くらいは、解消されるのかもしれない。
おそらく、解消されるだろうと思う。
だけど。
そうしたらきっと、あらたな不満が生まれているんだよ(笑)
もし仮に、やり直したあとに新たな不満が生まれなかったとしても。
・・・・せっかく今まで積み上げて来たものを手放す気はサラサラない。
これが、一番の理由、かな?
だから結局はそう思えるくらいにわたしは、恵まれた人生を送っているのだなぁと思う。
あとね。
実は他にも理由があって。
もう一回人生やり直すとか、めんどくさい。
いくらやり直せるとしたって、わたしという人間の中身が変わらない限り、人生の分岐点で選ぶ道なんて同じに決まってる。
それに。
悲しい別れも経験してきた。それをまた経験することになるなんて、まっぴらごめんだ。
というもの。
例えば小学生に戻ったとするとさ。
また受験とか、就活とか、しなくちゃいけない訳でしょー?
やだもん、そんなの。めんどくさい。
あんなのもう一回経験とか、イヤです。
楽しい思いももう一回経験できることにはなるけど、それはもう、思い出という形でわたしの中に残っているので、それで十分。
悲しい別れの傷なんて、未だにまだ残っているのに、さらに傷跡抉られるような経験なんて、したくないしね。
だからわたしには、『あの頃に戻りたい』なんて時は、ないのです。
って言い切れるのは、ほんとに幸せな事だねぇ・・・・
今のわたしを形作ってくれたすべてに感謝。
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