第132話 Win-Winと軽々しく口にする人は信用ならない

 良く、聞きますよね。


 Win-Win の関係でいきましょう!


 とか。


 嫌いだな。この言葉。

 ロクな思い出が、無いから。

 だって。

 こんなこという人たちってさ、たいてい『搾取する側』だから。

 ・・・・あくまで、今までのわたしの経験上、だけど。



 今の会社の客がよく、この言葉を使うんだよね。

 客。

 うちに仕事を下ろしている会社。

 うち、下請け会社だから。

 ほら。

 立場が上の人たちでしょ。

 こんな言葉使う人たちって。

 そんで。

 最初はなんだか取り繕ったものすごい良心的な運用を提案して説明とかして。


 私達は、同じ仕事をしている『仲間』。

 Win-Win の関係でいきましょう!


 とか、にこやかに口にして。


 そんな運用、ものの数日でなし崩し的に無くなっていくし、異動が普通にある会社なのに誰も何も引き継がないし。

 結果。

 我ら、いいようにこき使われて。


 こういう運用になってましたよね?!


 って、当時の資料提示しても。


 その時はその時。


 とか。

 なんで、しれっと言えるのかなぁ?

 

 私はその時居なかったから知らない。


 とか。

 別に我ら、に言ってるわけじゃないのに。

 ・・・・そのクセ、我らには会社単位でものを言うんだよねぇ?それが正しいって分かってるくせに、自分のときにはまるで無視って。まぁもう馴れましたけど。

 でも、そんな人たちとWin-Winになんてなれるわけ、ないじゃない?

 よく平気で言えるなぁ、ほんとに。

 


 Win-Win なんて。

 本当に、あるのかな。

 もし1万歩譲って、あるとしよう。

 AとBの間に、Win-Winな関係が成立したとしよう。

 でも、その陰で。

 AもBも知らない、Cが。

 どこかで苦しむことに、なりはしないだろうか。

 なんて、思ってしまう。

 我らで言えば、Aは客。BはW会社のお偉方。Cは我ら現場の社員、かねぇ?

 結局、BはもとAだから、こうなるのも仕方ないのか?

 まぁ、こんな狭い世界の話は置いておくとしても。


 結果。

 今。


 色々崩れてきている世の中。

 色々おかしくなってきている世界。

 もし。

 全ての人間がWinnerになったとしたら。

 その陰で、人間以外の全てがLoserになりはしないかなぁ?

 ・・・・そもそも、人間同士だって、WinnerがいればLoserが必ずいるのに。


 つい先日も、客が


 Win-Win の関係を築いていきましょう!


 とか言っていて。


 できるかボケ。


 なんて。

 心の中で呟いたりして。


 この言葉を聞けば聞くほど、見れば見る程、信用できないし、胡散臭く見えて来る。

 おまけに。

 この言葉を言った数日後には、客の会社の社員に『周知徹底した』とか言っていたはずの運用を既に破っている社員がいたし。

 それも、しれっと。

 それNGですけど。

 そう返してやったさ。もちろん。


 この時点でもう、こっちが労力使わされてる。

 何度も繰り返されて嫌気も差している。

 信用もできない。

 どこが、WinーWinなのだか、ぜひとも教えて欲しい。

『仲間』とか気安く言ってるけど、『仲間』じゃないし。

 むしろこっちから、願い下げだし。


 そっちは客。

 こっちは下請け。

『仲間』になることは、有り得ない。

 なぜなら客は、自分が言ったことを下請けがやるのは当たり前、というスタンスを崩さないから。

 約束の期日もロクに守らないし。

(わたしは、運用に沿っていない仕事は、意地でも徹底的に引き受けないし、期日を過ぎたものは一切引き受けませんけど"(-""-)")


 Win-Win。

 耳障りの良い言葉だよな。

『仲間』

 一体感が生まれることだろうよ。


 ・・・・職場で客から仲間面して上から目線で言われると、一番吐き気がする言葉だ。


 でもね。

 そのお陰もあってか。

 本物の『仲間』であるところの我々W会社社員は、みんな割と助け合って一体感があるんだ。

 そういう意味では。

 我々W会社の社員同士に限って言えば「Win-Win」の関係、になるのかな(*^-^*)

 ・・・・わざわざ口に出しては言わないけどね。

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