第129話 『組体操』よりも『民舞』推奨派

 小学校の運動会では『組体操』というものをやっていた、と聞く。

 今でもやっているのかな?

 怪我することも多くて危ないからと、一時期問題になったと思うのだけど。


 かく言うわたし。

 実は一度も、『組体操』なるものをやったことが、無い。


 というと、わたしと同年代の、同じ小学校出身ではない人からは、かなり驚かれるんだよね。

 なんせ、わたしらの時代の運動会では、『組体操』が主流だったらしいから。


 じゃあ、わたしたちは小学校の運動会で、何をやっていたかというと。


 民舞、です。


 うちの学年だけだったのかなぁ?

 担任の先生が、民舞を習得してきて、それを生徒たちに教えてくれたんだよね。


 1年:こきりこ節(富山)

 2年:はねこんま(東北?)

 3年:おんでこ(佐渡?)

 4年:御神楽

 5年:七頭舞(岩手?)

 6年:御神楽 + 七頭舞


(余談だけど、幼稚園の時にも、ソーラン節をお遊戯会で踊ったなぁ・・・・よっぽど縁があるのかなぁ?わたし・・・・)


 めっちゃ楽しかった!

 今でもね、御神楽と七頭舞は、なんとなく体が憶えてる。

 毎日みんなで練習してたから、ね。


 こきりこ節はたしか、両手に竹を持って踊るんだよ。

 はねこんまは、ワイヤーで作った円に布を絡めて、そこに段ボールで作った馬の頭部分をくっつけて手綱を付けて、荒馬に乗っているような踊りをしたはず。

 おんでこは、みんなで図工の時間に鬼のお面を作って、両手に木の棒みたいなものを持って踊ったような?

 御神楽は、左手に鈴がついた木の棒を持って、右手に扇子に見立てた厚紙で作った扇(クラスによって色分けしてある)を持って、クラスごとにフォーメーション変えて踊るの。

 これ、観に来た生徒の家族たちがみんな絶賛してた!

 七頭舞は、本当は7種類の道具を持って踊るみたいなんだけど、わたし達が使ったのは、刀。

 とは言え、もちろん作り物の刀。

 みんなで段ボールで刀作って、刀身の部分はアルミ箔貼ったりして。

 これもねぇ、色々とフォーメーション変えながら踊ったりしたんで、ものすごくカッコ良かったんだよねぇ!

 最終学年の6年はもう、御神楽と七頭舞を合体させた、今までの集大成。

 わたしたち生徒自身も、ものすごい達成感だったし、先生たちも嬉しそうだったし。

 観に来た生徒の家族たちも、みんな大満足だった。


 組体操みたいに危険な事なんて無いから、誰も怪我なんかしない。

 でも意外に体力(筋力)は使う。

 中腰の動作が多かったり、要は体幹がしっかりしていないと、綺麗に踊れないから。

 要領が良くて覚えがいいコは、率先して、なかなか覚えられないコに教えてあげたりして。

 先生と生徒達が、本当に一体となって作り上げた、あの素晴らしい作品。

 あの感動は、今でも忘れられないなぁ。

 わたしは、あの小学校に行って、あの先生たちに巡り合えて、本当に良かったと思っている。

 ・・・・いや、べつに、民舞のことだけを感謝している訳ではないんだけど。


 今は、さ。

 ダンスが必修になったんだっけ?

 それよりも、さ。

 日本の伝統芸能的な、こういう神楽とか民舞とかを先に取り入れるべきだったんじゃないかなぁ?って。

 思ったんだよねぇ・・・・

 ダンスを否定する訳では、無いのだけれど。

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