第110話 わたしが触れてきた様々な『優しさ』の形
幸せなことに。
わたしは今まで、多くの『優しさ』に触れて生きて来たんだなぁと、常々実感しています。
あまり『悪意』に晒された記憶が、無いのですよねぇ。
・・・・忘れてしまっただけかもしれないけれど。
『優しさ』の形って、たくさんあると思うのです。
一見、怖そうに(厳しそうに)見える『優しさ』。
まんま、包み込むような『優しさ』。
陰からそっと見守る『優しさ』。
敢えて突き放す『優しさ』。
人をダメにする『優しさ』。
もっと他にもたくさんあるかもしれない。いや、あると思う。
わたしの記憶力と語彙力が足りないだけで(・・;)
わたしの家は、昔祖父母と同居だったんですよ。
今はもう、祖父母は亡くなってしまっているのだけど。
ほら、よく孫には甘くなる、って言うでしょ。
祖父母もね、甘かったですよ~(≧▽≦)
随分可愛がってもらいました。
対照的に、母はメチャクチャ厳しかった(>_<)
だからね、小さい頃は、母より祖父母にベッタリだったんじゃないかと思う。
だってさ。
怖い人より優しい人の方に行くじゃない、子供だもん。
でもね。
ある時わたしが悪さをして母からミッチリ怒られてギャン泣きした時(まぁ、悪ガキだったので、しょっちゅう悪い事しては怒られていたのですけど)。
母がギュッと私を抱きしめて言ったの。
「遊はお母さんの可愛い可愛い子供なんだからね」
って。
今でもはっきり憶えてる。
何の悪さしたかは、忘れたけど(笑)
その時くらいからかなぁ。
祖父母ももちろん大好きだけど、母親ベッタリになり始めたの。
母がいきなり私に甘くなった訳ではなく、ある程度成長するまでは、厳しい人だったけどね。
それでも、母親ベッタリになったのは、『優しさ』を、子供なりにちゃんと理解して感じたからなのかなぁって思うんだ。
中高生の思春期を迎えると、こんなわたしでも色々と思考が複雑になってきて、たまに自死願望を口にする時もあったかな。
軽々しく言っていた訳じゃないと思うんだよ。
でもまぁ・・・・そこまで覚悟してたか、って言われれば、そんなことは無かったのかもしれない。
ある時、
「わたしが死んだら・・・・」
みたいな事を口にしたわたしに、友人が言ったんだよね。
「軽々しく【死】を口にする奴は、私は嫌いだ」
って。
・・・・なかなか言えない言葉じゃない?これ。
中学高校生くらいで。
「そんなこと言わないでよ」
とか
「何があったの?」
とか。
掛ける言葉って、せいぜいそんなもんだと思うんだよ。
でも、彼女は違ったんだよね。
だから余計に、ドキッとしたんだ。
それからは、あまり【死】を口にすることは無くなったように思う。
彼女に嫌われたくないっていう気持ちが大きかったとは思うんだけど(笑)
そんな彼女。
今、薬剤師さん。
たくさんの人の命を救う現場にいるんだ。
すごいなぁって思う。
だいぶ前にお付き合いしていた人。
割と・・・・約束やぶる人だった(笑)。
彼曰く、わたしに甘えてるんだとか。
わたしなら、許してくれるって。
だから、他の人との約束を優先させてしまう。
最初はね。分からないでも無かったよ。彼の理屈。
でもねぇ・・・・頻度が半端なくて(笑)。
こっちがどれだけ楽しみにしていても、お構いなしだったり、そんなことが続いて、結局別れたのだけど。
それを、見守ってくれてた人が、いたんだ。
約束すっぽかされてその人に愚痴メール送ると、じゃあこれから一緒に飲みに行こう!とか。
支えて貰ったなぁ、随分。
気づけば色々とフォローしてくれてたんだよね。
ほんと、優しい人。
同じく、同時期に色々とフォローしてくれた人がいた。
その人も本当に優しくて。
でも、なんでだろうな?
わたし、この人と一緒にいたらダメになる。
って、思ったんだ。
その人は、わたしの全てを肯定してくれる人だったから。
でも、ね。
それは違うなって、思ったの。
居心地はいいよ。だって、全部肯定してくれるんだもん。
ものすごく、助けられた部分もあったし。
その人の前で何度も泣いた事もあった。
でも結局、離れたんだ。
感謝はしてる。ものすごく、してる。
でもやっぱり。
ずっと一緒にいたら、自分がダメになるなって思って。
人からたくさん貰った『優しさ』。
わたしは周りの人に、返していけているのかなぁ?
貰った『優しさ』は、やっぱりお返ししたいよね。
そうやって、『優しさ』が連鎖していけば、優しい世界になるじゃない?
わたしの中にある『優しさ』は、どんなものなのかなぁって考えてみたりするんだけど、自分ではイマイチ良くわからなくて。
厳しいのは、ちょっと苦手だと思うけど。
包み込むにも、それほど包容力がある訳でもないし。
見守るだけとか、じれったくなりそうだし。
突き放すと、そのまま突き放しっぱなしになりそうだし。
・・・・人をダメにする『優しさ』にはならないようにしたいなぁとは、思ってる。
難しいね、『優しさ』って。
良かれと思った事が、必ずしも相手の為になるとは限らないし。
何の気なしにやったことが、相手にとってはものすごい嬉しい事だったりもするし。
う~ん・・・・
『優しくしなくちゃ』って思っている段階じゃ、まだまだなのかも。
自然に出て来るものじゃないと、相手には響かないよね、きっと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます