第56話 『好意』の表し方って意外に難しいなぁ

『好意』にも、色々あるじゃん。

色々、あるんだよ。

・・・・線引きは、結構難しい。

さらに。

相手がどう感じるかなんて、もっと分からない。


小さい頃から親世代、祖父母世代の方達に、よく可愛がって貰っていたせいか。

年上の方から可愛がっていただく事が多くてねぇ。

それが、なかなか抜けないのね、自分がだいぶデカくなっても(笑)。

同じような感じの距離感で年上の人に甘えるとさ、勘違いされることも、当然出て来る訳だ。

こちらが、それ相応の年齢になってくると。

その事に、気付いていなかったんだねぇ、私。

自分が、まさか『恋愛の対象』になるなんて、思ってもいなかった、というか。


恋愛感情の『好意』。

恋愛感情の無い『好意』。

確かに両方存在するのに。

それぞれの相手に、きちんと伝えるのは、ものすごく難しい。

私には未だに分からないよ。

だから、恋愛感情の無い『好意』の場合には、防御線を張るしか無いんだよね。

私には別に好きな人がいるんです、って。

例えいなくても(^^;)


今なら、ちゃんと言えるんだけど。

その時はどうしていいか分からなくて、何度も断るのも辛くなってしまって、結局音信不通にしてしまった。

失礼な事したなって思う。

好きだったのにな。でも、恋愛感情ではなかった。恋愛に発展しそうな感情でも無かった。

あの時の正解は、なんだったんだろう?



恋愛云々を全く除いたところでの『好意』の表し方も、意外に難しい。

職場で、かなり距離感の近い人がいる。

あまり「普通」という言葉は使いたくないけど、敢えて使う。

その人は「普通」よりもだいぶ、距離感が近い。

1回目に驚いたのは、同僚から聞いた話。


「このあいだ、仕事の話をしていたんですけど。突然、頭触られたんです!ちょっと気持ち悪かったです・・・・」


そりゃ、気持ち悪かろうねぇ。

仕事の話をしていて突然頭触られたら、私も気持ち悪いと思う。


2回目に驚いたのは、私自身の体験。

詳しい事は驚きで飛んでしまったけど(笑)、何かの情報を得てその人に伝えに行ったら。


「ありがとう!」


の言葉と共に、手を握られた。

目が点になって、暫くそのまま動けなかった(^^;)

そしてその後、その状態のまま何か会話を続けたような気がする。


悪意は全くなく、純粋な『好意』の表現だとは思うのだけど。

職場で仕事中に手を握られるという経験は、今までしたことがなくて。

会話が途切れたのを機に、そっと手を抜いて


「じゃ、失礼します」


と、急いで自分の席に戻った。


同僚と同じように、私もちょっと受け付けられないなぁ、と感じてしまった。

相手がもし異性だったら、その場で

「どさくさに紛れて手なんか握らないで貰えます?」

くらい言えたかもしれないんだけど。

・・・・なんか、言えなかったんだよねぇ・・・・傷つけてしまいそうで。

何が正解だったんだろう?


難しいなぁ、『好意』って・・・・(>_<)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る