第36話 私が『いじめ』の標的にならなかった理由を考えてみた

幸運なことに。

今まで生きて来た中では、私は『いじめ』というものを受けた記憶が無いなぁ、と思う。

『いじめ』って、いつ誰が標的になるか、分からないところがあるけど。

なんで私は、標的にならなかったのだろうか。

ただの幸運な偶然なのかもしれない。

でも、何か理由があるのかもしれない。

と。

ちょっと、考えてみた。


『いじめ』というものは、何歳くらいから始まるものなのかな?

保育園幼稚園の子供は、そんな邪悪な考えは持っていないような気がするんだけど。

そうすると、小学校くらいから、なのかなぁ?


小学校の時を振り返ってみると。

私は本を読むのが好きだったから、1人で居ても何の苦にもならない子供だった。

むしろ、本を読んでいるときは、誰も邪魔してくれるな、という感じ。

でもだからって、友達が居なかった訳でもなくて。

男女問わず、みんなと仲は良かったと思うんだ。

昔からカッとなりやすい性格だったから(笑)、ケンカもよくしたけど、大抵男子と取っ組み合いだったかねぇ?

力がね、女子にしては強かったんだよ。水泳習ってたくらいで、特に体を鍛えていた訳じゃないのに。

だから、女子とは取っ組み合いのケンカはしなかったかな。・・・・ケンカにならないんだよね、すぐ泣かれるから。

面白い担任でねぇ。

ケンカが始まると、

「リングを作れ!」

って言って、机を動かして簡易的なリング(要は、ケンカしている2人の周りを机で囲む)を作って、ケンカの仲裁しないの(笑)。

でも、絶対的ルールが1つあって。

どっちかが泣いたら、即、ケンカ終了。一粒でも涙を流したら、もう、即終了。

そして、どっちの話も聞いて、どっちも怒られる(^-^;

今の時代じゃ、考えられないよね?

でも、私は良かったと思うんだよ、これ。


ケンカなんて、当事者の問題だから、決着がつくまで誰も口や手を出すな。

どっちかが泣いたらそこでケンカは終了。

そして、喧嘩両成敗。


ちょっと話がズレたけど。

もしかしたら、ケンカが強かったのも、『いじめ』の標的にならない1つの要因だったのかな?


そんな私でも、1回だけ、ん?って思う事があったな。

仲良し女子3人組って、よくあるアレ。

その中に私が入っていてね。

ある時、「下の名前で呼び合おうよ、呼び捨てで」とかいう事になり。

「『ちゃん』とかつけちゃったら、1回たたくことにしよう!」

とか言う謎のルールもできて。

それから少し後、かなぁ?

「遊ちゃん、遊ちゃん」

って、呼びかけられたんだよねぇ。

不自然なほど、何回も。

私もそれほどバカじゃないので、さすがにこれはおかしいぞ?と思って。

すっとぼけて、謎のルールをすっかり忘れたおバカさんのテイで

「なに~?」

なんて、返事をした訳だけど。

多分あれは、わざと私に叩かせて、【帰りの会】とかで先生にチクる算段だったのではないかと。

たま~に、あるんだよねー。この類の姑息な『嫌がらせ』みたいなものは。

でも、きっと私が気付かない内に何か、彼女たちの気に障る事でもしちゃったんじゃないかと思うんだよね。

だからその件はもう、それで終わり。


これも、『いじめ』の標的にならない1つの要因だったのかなぁ?

嫌がらせしようとしても、相手がバカ過ぎて嫌がらせにならない、という。

(バカなフリも時には必要)


社会人になってから、1つ驚いた事がある。

同期入社の同僚が、寿退社で辞めた後のこと。

「私、実は●●先輩にいじめられてたの」

と。

私、どんだけ鈍感だったんだろう。

本当に、全く気付いていなかった。

●●先輩は、ちょっとキツい言い方をする時も確かにあったけども、とてもいい先輩で、同僚とも仲が良さそうに見えたのに。

その同僚には、申し訳ない気持ちで一杯だった。

「でも、遊ちゃんが居てくれたから、今まで頑張れたんだよ」

って言って貰えたことが、救いだった。


もしかしたらこれも、『いじめ』の標的にならない1つの要因なのかもしれない。

自分が『いじめ』に遭っている事にすら気付かない鈍感さ。

その同僚が、言ってたんだよねぇ。

「遊ちゃんはよく平気だなぁって思ってた」

って。

どうやら、『いじめ』の矛先はたまに私にも向いていたらしいんだけど。

平気も何も、私全然、気付いてすらいなかったから、さ・・・・

どこら辺が『いじめ』だったんだろう?

う~ん、やっぱり未だに分からない。


まとめると。

●力が強い

●おバカさん

●鈍感

が、今時点で考えうる、主な要因、という結論。

だけどやっぱり、幸運な偶然の積み重ね、が一番大きな要因な気がするよ。


しかし、『いじめ』って何が楽しいのかなぁ。

もっと楽しい事、たくさんあるのに。

他の楽しさを知らない『いじめる側の人』って、かなり哀れだと思う。

そして。

『哀れ』って思われるのが一番嫌だろうなぁ、そういう人たちは。

と思いながら、敢えて『哀れな人達』って思っている私って。

結構腹黒いとも思っていたりして・・・・フフフ。




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