第22話 拗らせファンの心理は複雑なもの

拗らせファン。

多分、私、そう。

俗語としての『拗らせ』の正しい意味は、正直よく分かってないんだけどね(^_^;)

あーでも、迷惑な方の『拗らせ』ではないはず。

だけど、ちょっと変わってる、という自覚はある。


もう、デビューしたすぐ後くらいからファンだから、かれこれ20年くらいになるかね?

はっ。

年がバレるか?

ま、いっか。隠すことでもあるまい(隠してるけど)。

少なくとも、20歳以上は確実ってことで(笑)。


私が20年くらいファンをしている人は、私よりもまぁまぁ年上の男性。

歌手?俳優?

多分、世の中の知名度的には、俳優なのかな。

私は、歌手としての彼のほうが好きだけど。


私のなにがどう拗れているかって。

まず、拗らせポイントその1。

私の彼に対する愛情は、言ってみれば「母性愛」に近い。

年上の息子(笑)。

だからね。

ドラマに彼が俳優として出ていると、観たいんだけど、もちろんしっかり観たいのだけど、それ以上に心配で心配でっ!(彼からすれば、いらぬ心配だわな)


あ~うちの子上手くできるかしら、上手に演技できるかしら、セリフ噛んじゃったりしないかしらっ?!


なんて。

これ、ほんと。

毎度、ドキドキしながら観てる(笑)。


歌番組にはほとんど出ないので(大ヒット曲って、無いような気がする・・・・)、歌ってる彼をテレビで観ることはあまり無いのだけど。

歌番組の司会をしていることは、あったりして。

そりゃもう、お母さん、ドキドキ(≧◇≦)


うちの子、名前間違って紹介とかしないかしら?!

曲名間違っちゃったりしないかしらっ?!


なんて。

やっぱりドキドキしながら観てたりして。


でもね。

ライブに行くと。

そりゃもう、ライブの雰囲気に飲まれまくりますよー!

ライブなんて、乗ったもん勝ちなところもあるし。

それに彼は、ファンを巻き込むのが本当に上手。

ファンを乗せるのが、天才的に上手。

そして、彼とファンの間にきっちり線を引くのも、ものすごく上手。


「今日はぜひ僕と、一夜を楽しもう!」

とか。

「今日は思いっきり、大いに愛し合いましょう!」

とか。


ねー。

あくまで、彼とファン、の関係。

それを、突き放すのではなく、でもちゃんと分からせてくれる。

なんて優しいの~惚れる~!ヾ(≧▽≦)ノ


だがしかし。

私はやっぱり、どうも母親目線でねぇ。

黄色い声なんて、出ないんですよ。

彼がステージ上で楽しそうに弾けているのを見ると、ものすごく嬉しい。

彼が頑張っているのを見ると、私も頑張ろうって思える。

彼の肌がちょっと荒れているのに気づくと、大丈夫かしら、ちゃんと眠れているかしら?なんて心配になる。


なんだろうこれ。

前世は親子だったのだろうか(≧▽≦)


そして。

拗らせポイントその2。

彼の魅力は、世の多くの人に知って貰いたい。

それはもちろん。そう思ってる。

だけど。

彼に、アイドル級にモテて欲しい訳ではない。

・・・・複雑なのだよ。

今だって、知名度はね、高いと思うよ?

でも実際に周りの人に聞いてみると、ライブに行くほどのファンには、出会ったことが無い。

残念だけど、ちょっと嬉しくもある。

彼のあのライブの魅力を知っているのは、私だけだーって。

そのくせ。

ちょっとでも興味を示してくれた人には、持ってるライブDVDを半ば強引に押し付けて(笑)観てもらったり。

それでハマってくれると、メチャクチャ嬉しくなったり。

・・・・もはや自分でもどうしたいのかが分からない。


ホントはね。

彼のデビュー当時、私は彼が苦手で、毛嫌いしてた。

思いっきり、私の苦手なタイプだったから。

でも、彼のファンになった友人が


「騙されたと思って、これを聴いてみて!」


って、私の為に、数ある曲の中からお勧め曲をピックアップしたCDを作ってくれて、私にくれたの。

正直、面倒だなぁって思ったんだけど。

せっかく私のために作ってくれたCDだから、一応聴いて感想は言わなくちゃダメだよね、って思って聴いて。

ドはまり。

既に発売しているアルバムを全部買い集めるくらい。

そうしたら、またその友人が


「そんなに曲を覚えたんだったら、絶対ライブ行った方が楽しいよ!」


って。

これまた正直、え~・・・・って思ったのだけど。

1回くらいなら行ってみるかと、行ってみて。


私の人生が変わったのさ。

大袈裟ではなく。

彼の魔法の言葉で。

だから。

私以外の人ももしかしたら。

人生が変わるかもしれない。

そう、思って。


彼の事は大好きなんだけど。

そんなにメチャクチャな人気者には、なって欲しくない。

でも、彼の魅力はみんなに知ってもらいたい。

キャーキャーと黄色い声を上げる訳ではないけど。

母親のような目で彼の活躍を見守りたい。

そんな、感じ。


まぁ。

ひとりくらい、こんなファンがいたって、いいやね。

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